痛み止めと〇〇を一緒に飲むと、腎障害のリスクが跳ね上がる | 加藤隆佑 ameba blog

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●痛み止めと〇〇を一緒に飲むと、腎障害のリスクが跳ね上がる

こんにちは。加藤隆佑です。

がん治療において、痛みが出た時に、痛み止めを処方されることがあります。

そのことに関連する話をいたします。

ある痛み止めと、ある胃薬を併用すると、急性腎障害のリスクが、かなり高くなることが、判明しました。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)という痛み止めと、プロトンポンプ阻害薬という胃薬の組み合わせが問題になります。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の製品名は、ロキソニン、ボルタレンといった薬剤が挙げられます。

プロトンポンプ阻害薬の製品名は、ランソプラゾールやタケキャブといった薬剤が挙げられます。

ちなみに、急性腎障害の症状は、尿量が減る、浮腫の出現といった症状です。

この報告に、私は、驚きました。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を飲むと、胃があれて胃潰瘍になることがあるから、プロトンポンプ阻害薬も一緒に処方することは、比較的定番の処方です。

実際のところ、プロトンポンプ阻害薬によって、潰瘍はかなり回避できます。

その一方で、腎障害になるリスクを、あげていたのです。

ただし、腎障害の発症リスクを上げるのは、プロトンポンプ阻害薬を新規に処方してから30日の間です。その期間を過ぎれば、そのリスクは下がるようです。

したがって、新規に処方してもらった1ヶ月の間は、最低1回は、採血で腎臓の機能をチェックした方が安全です。

万が一、腎障害を発症しても、早期発見して、薬剤をやめれば大丈夫です。

頻度は500人から1000人に一人くらいと推測されます。

余談ですが、そのニュースを読んだ翌日に、私の外来に、非ステロイド性抗炎症薬とプロトンポンプ阻害薬を併用したことがきっかけで、腎障害になった方がいらしたのには、びっくりしました。

今日のまとめです。

がんの治療中は、痛み止めと胃薬をセットで飲む機会があると思いますので、その際には、腎臓への負担のことも、心の片隅に置いて欲しいです。

西洋の薬を複数のむと、相互作用で予期もしない副作用が出ることもありますので、薬を最低限にすることも意識してください。

さて、明日木曜日の20時のメールマガジンで、2月下旬に承認された抗がん剤をご紹介します。

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