ものすごく久しぶりに書く。こんな気持ちになったのは何時ぶりだろう。世界に対して高慢でもなく卑屈でもなく、何の防御壁もなくフラット。そういう態度でいられる自分が、今はとても好きだ。こういう気持ちになれたのは、最近の大きな環境の変化があったと思う。

居場所が変わった。

水を入れ替えないと水槽の金魚は弱ってやがて死んでしまう。それと同じように、滞留して淀んだ空気を長く吸いすぎると人間も弱ってやがて腐ってしまう。そういう環境に自分を置いておきすぎた。振り返ってみると、20代後半の数年というこの時間は、短いようで長かった。もう、時間を無為に過ごしている暇はない。もがいていただけで能動的に動かなかった、動けなかったといった方がより正しいかもしれないが、どちらでもいい。結果は同じだから。

この時間、、取り戻すために走ろうと思う。昔、400メートルリレーの第1走者だった頃のように、スタートダッシュに想いを込める。スターティング・ブロックに尖ったスパイクを履いた足をかけ、高鳴る胸の鼓動に不安と期待を膨らませる。そして、青空を打ち抜くピストルの爆発音に耳を澄ませる。コンマ1秒でも遅れないよう、研ぎ澄ませた神経をこめかみに集中させ、startの時を待ち構える。