今,日曜の夜10時。明日からまた仕事だと,嫌々仕事のことを思い出して整理しながらPCのキーボードを叩いていると,何やら焦げたような甘酸っぱい匂いが立ち込めてきた。

何事かとキッチンの方へ振り返ると,私の旦那さんという立場の男の人が,コンロの前で私が昨日作って余っていたトマトソースパスタを,白いTシャツとボクサーパンツ姿で,フライパンに入れて温め直していた。

妹の新婚旅行みやげ,イタリアのパスタとトマトソースに,私の大好きな茄子と厚切りベーコンを加えて,さっぱりバジルで仕上げたものだ。私は,素材を活かしたシンプルな料理が好きで,こういうものをよく作る。味は,手前味噌で恐縮だが,私が作るものは,大体においてすべて美味しい。

でも,昨日の残りだし,しかも,今日はもう夕食をとったのだ。

「まじか・・。もう夜ご飯食べたじゃん。。」

少し早かったが,18時半ぐらいに,ある程度十分な量のサラダと牛めしを一緒に食べたのだ。。

「もーだからデブになるんだよ。知らへんよ,また帰省した時に太ったって言われても。かっこよくなくなったら,リ・コ・ンやからね!」

はぁ。

とは言いながらも,何だか少し,トマトソースの甘酸っぱい香りがそうさせたのか,何だかかわいいなぁと思ってしまった。

昨日作ったパスタなんて,もう時間が経ってトマトソースの水分を吸いに吸ってぶよぶよに膨らんでいる小麦粉の塊なのに。私なんてとてもじゃないけど食べようなんて思わないのに。それを,バクバクとある程度美味しそうに頬張っているなんて。

なんと言うか,かわいらしくないか。

ほら,もう全部食べ終わって,また物理の研究に戻ってる。


(笑)


すごいなぁ。笑ける。

私としたことが。


やっぱり,私,この人と暮らすのが楽しいんだろうな。