多頭飼育問題と命をつなぐ仕組み | 特定非営利活動法人C.O.N

特定非営利活動法人C.O.N

尼崎市を中心に地域猫活動を行っています。地域社会の様々な猫問題に取り組みながら、『共に生きる未来』をめざしています。

明日、家を退去しないといけないのですが、

40数匹の猫と子猫と犬1匹がいて、

次に住むところも見つかってません。

 

 

「猫はどうするのですか?」

 

 

餌がもらえそうな公園を

いくつか探していて、

そこに分けて放すしか・・・

 

 

 

その日の夜、

teamねこのてさんと

何とか

ほとんどの猫を

保護しました。

 

 

 

最終的に

61匹。

 

 

今思い出しても、

何をどうやって

その数の猫たちを

一晩で保護できたのか、

わかりません。

 


 

 

 

多頭崩壊問題に関わるようになり、

いくつかの現場が

ひと区切りついたところで

事例をレポートにまとめ

市や議会へ働きかけました。



議会では、

環境省の多頭飼育ガイドラインを待つ

という答弁が

繰り返されていましたが、


 

 

この崩壊事例は、

議会や協議会で

大きく取り上げていただき。

結果として、

多頭飼育の助成金制度に

つながりました。

 

 

 

 

 

 

多頭飼育崩壊が起こった時、

行政もボランティアも

そう簡単には動けません。

 

 

 

その原因は、

大きく2つあると考えていて、

 

 

不妊手術のお金がない。

保護する場所がない。

 

 

です。

 

 

何回指導に入っても

お金がなければ不妊手術はできません。

子猫がどんどん産まれていても・・・

 

 

助けたくても

助けられない

 

 

結局、

関わったボランティアが、

何十匹もの手術費を負担し

丸投げで引き取るしか方法がない。




それが普通でした。

 

 


 

 

 

 

61匹の多頭崩壊の翌年、

多頭飼育助成金ができました。

 

 

 

「お金がない」が

大きく前進したのです。

 

 

 

 

 

 

また、

愛護センターが改修され

猫の収容頭数が

15匹から30匹に増やされました。

それに伴い、

職員も増員されました。

 

 

 

これで、

「保護する場所がない」も

改善されました。

 

 


  

 

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何年も

指導、指導、指導だけで、

放置するしかない、

そんなことも、

激減したのではないかと

思います。

 


 

実際、

多頭飼育が発覚したら、

行政が現場に入り、

動物愛護推進員と連携し

積極的に対応していると

聞いています。

 



早期発見、早期介入は、

有効な対策があってこそです。


 


 

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過酷な61匹の多頭崩壊から5年。

当時、現場から保護された

ジローちゃんの写真が届きました。



今は、

たくさんの愛情をもらって、

とても穏やかに、

幸せに暮らしています。

 

 

いっしょに家族になった

くるみちゃんも

最期の瞬間まで

愛情に包まれて、

幸せだったと思います。

 

 

 

 


 

 

 

 

現場にはたくさんの、

本当にたくさんの犠牲があって、

そのことを

私たちは声にして、

 

 

 

命をつなぐ仕組みに

かえていかなければと

思っています。

 

 

 

 

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