2015年は…「便色カードで早期発見 No more 脳出血!」 | 胆道閉鎖症・乳幼児肝疾患母の会 肝ったママ’s

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胆道閉鎖症や乳幼児肝疾患の早期発見に力を入れております。
便色カードで早期発見 No more 脳出血!

お久しぶりです。2015年も早いもので2月ですね…。

 便色カードが母子手帳に収載されて、今年で3年目になります。母子手帳で比較的目立つページなため、上の子の時にはなかったけど…と気づく親もいますし、赤ちゃんのうんちに以前よりも親の「意識」がむくようになったような印象を受けます。
 私たちのサイトは、2009年からほそぼそと作ってきましたが、2012年以降に日々のアクセス数が明らかに多くなりました。検索ワードも「赤ちゃんのうんち」や「黄疸」、「母乳性黄疸」、「赤ちゃん うんち 薄い」などでサイトを訪れる方が多いです。
 2011年にFacebookページを開設してからは、医師にも少しずつ私たちの活動が知れわたり、産婦人科医や小児科医、助産師や看護師から活動について理解してもらえるようになりました。

 しかし、まだまだ多くの小児科医には胆道閉鎖症について、早期発見の重要性が知れ渡っていないのが現実です。便色カード収載以降でも、脳出血から胆道閉鎖症が発覚した赤ちゃんがいます。また、便色カードで異常に気づいて、小児科を受診しても「便に色があるから大丈夫」とか、「母乳性黄疸だから」と帰されるケースはまだまだ聞きます。お母さんがどうしても気になって、いくつかの病院を回ってようやく気づいてもらえた症例も聞きました。去年、そうした例をいくつも聞いて、とても残念に思ってます。

 今年はそんなこともあり、「便色カードで早期発見 No more 脳出血!」という目標をかかげました。難しい目標ですが、便色カードで早期発見する意味の一つが、「No more 脳出血!」なのです。胆道閉鎖症や乳幼児の肝疾患で、肝臓内に胆汁がうっ滞してしまうと、「ビタミンK欠乏症」になりやすくなり、「ビタミンK欠乏症」は赤ちゃんにとって「頭蓋内出血」のリスクが高まり、命を脅かすからです。ですので、早期に発見して、少なくとも「脳出血」を未然に防ぎたいのです。

 胆道閉鎖症は、まだ原因が解明されてません。一万人に1人の確率で生まれてくると言われ、日本ではおよそ年間100名の胆道閉鎖症の赤ちゃんが生まれてきます。この病気になることは、今の医学で避けられないのですが、その予後は「葛西手術」の考案や、「肝臓移植」の進歩で半世紀前よりははるかに存命率が高くなりました。しかし、脳出血は深刻なダメージを負ってしまいます。本人はもちろんのこと、ご家族にとっても大きな悲しみと辛さを背負うことになります。

早期発見で、脳出血を避けられれば、今は葛西術や肝臓移植で元気に過ごす事ができます。小児科の先生方、助産師の方、保健師の方、どうか便色カードの意味を理解してください。「4番より薄い色の便」は要注意です。決して「色が付いているから大丈夫」ではありません。