月と地震のメカニズム | 『満月と魔力の謎。』

月と地震のメカニズム

では、月の引力はいかなるメカニズムで地震を引き起こすのか?
現在のところ、地震の原因は、地球物理学でいう「プレートテクトニクス理論」で説明され
ているようである。簡単にいうと、地球の表層部をおおう地殻というものは、約六十~二百キロの固い岩石層

プレートでおおわれている。


このプレートは海底の海嶺でつくられ、下部の低速度層に乗って、あたかもベルトコンベアーのように、年に二~ 八センチの速度で移動している。そして、海溝に行き当たると、そこで地殻内部に沈み込む。

日本には太平洋プレートが絶えず押し寄せており、日本海溝でユーラシアプレートの下に沈み込む。

このとき、陸地そのものも地殻内部に引かれるが、あるとき突然、パネのようにもとに戻一る。



『満月と魔力の謎。』


地震はこのために起きるというのが、六七、八年ころからは有力な説となっている。
日本列島はいわば、移動するプレートの通り道上に位置しているのである。地震が多いのも当然の話だ。


しかし、地震の発生する原因は、本当にそれだけであろうか?

地球というものはじつに複雑で、われわれはその上に住んでいながら、地球のことをほとんど知らないといっても過言ではない。


今日でも人跡未踏の地は数多くあるし、まして地球内部のこととなると、とても探索がおよぶところではない。

表層部の下にはマグマ層がコアあり、さらに下には中心部となる核があると一応説明されてはいるが、それとて確証があるわけではない。そこで、じつは地球内部はがらんどうになっているという、奇想天外な「地球空洞説」などが飛び出してくることにもなる。


広い宇宙の研究はまことロマンに満ちた領域だが、われわれが生存している地球のことをさらにくわしく知ろうとするのは、たんなるロマンではない。この先、人類が生きていくためにも、それは必要不可欠なことだろう。その意味でも、月と地震の因果関係を解明することは、人類にとっての急務だと私は思う。すでに見てきた地震と月齢との関連にもとづき、私は当初、漠然とこんなふうに考えていた。
「月の引力が強い新月・満月時には地球が膨張するため、逆に上弦e下弦時には地球が収縮するため、

これが要因となって地震や火山爆発が起こるのではないか」と。


事実、人工衛星からアメリカ大陸のある一部分を直径十キロの正方形に区切ってカメラで撮影したところ、

次のような現象が確認されている。新月・満月時にはこの十キロ四方の枠から陸地がハミ出してしまう。が、


上弦・下弦に移行するにつれて徐々に収縮をはじめ、枠のなかにおさまっていく。このことからも、地球が月の引力によって膨張・収縮をくり返すことが明らかだろう。

が、研究を進めるにつれ、どうもそれほど単純なものではないことが明らかとなってきた。


結論をいうと、


地震は、月の引力と太陽エネルギーとの相乗効果で引き起こされる、
した結論だったのである。というのが、私が到達結論だったのである。