ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

中学に入って、変わったことは

テストのありかた。

 

小学校時代は

一単元が終わるごとに

テストがあった。

 

けど、中学になると

中間・期末・学年末という形に変わった。

 

初めての中間テストは

私にとって

とても大きな意味を持つものになった。

 

小学校時代も

テストの点数はよかった。

 

それは、苦しさから逃れるための手段が

辞書や漢和辞典などを

暗記することだったから。

下矢印

 

はっきりとは覚えてないけど

学期末の成績表の他に

テストの点数が書いてるような

点数表があったと思う。

 

そこには、各教科の点数が書かれていて

その一番右側には

学年での順位が記載されていた。

 

そこには「1」と書かれていた。

 

 

つまり学年トップ。

 

 

母はとても喜び

次も同じ成績を取ることを望んだ。

 

 

母の学童期は、戦時中だった。

 

勉強することもままならず

竹やりの訓練などをしていたそう。

 

母は、きっと勉強したかったんだろう。

 

クイズ番組が好きだったし

パズルのような問題も好きだった。

 

私が大人になってから

何かをアドバイスした時に

 

 

「学がないと思ってバカにして!」

 

 

怒られたことがあった。

 

私には、そんなつもりは

全くなかったので、ただ驚いた。

 

今にして思えば

学校に行けなかったことは

母に大きな劣等感を

残していたのだろう。

 

母親は、特に娘に対しては

自分が叶えられなかった夢を

無意識に託すことがある。

 

母もきっとそうだったのだろう。

 

私が、学年トップでいることが

母にとっては、誇らしいことだった。

 

それは、自分が認められたような

気がしていたのかもしれない。

 

そして私は

母の期待に応えるという

選択をし続けていたし

この先もそうするものだと思っていた。

 

捨てられないために。

 

だから、学年トップというのは

私にとっては

嬉しくもなんともなく

ただただ、重圧だった。

 

トップでいなければ

いけないっていうことは・・・

 

 

99点が信じられない世界。

 

 

テストを返してもらっても

99点だと、1点足りないという気持ちに

さいなまれ続ける。

 

そして、テストの成績が返ってきて

「1」の文字を見るまでは

不安との戦いになる。

 

ホッとしたのも束の間で

また次のテストがやって来る。

 

学年トップだというと

多くの人は「すごい!」って言ってくれる。

 

その言葉を聴くたびに

 

 

「誰にもわかってもらえない。」

 

 

っていう思いを、募らせていった。