ふんわり風船ハート みぶき えみ@月の記憶の声を聴く人

   

月の記憶の声を聴きながら綴る

みぶきえみの世界観🌙

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前のお話

下矢印

 

 

真夜中には見えない三日月。

 

それでも、真夜中の三日月は

私の心の支えだった。

 

事実とは違っても

拠り所になるものはあるのだ。

 

バイトが終わるのは20時ごろ。

 

その後、待っててくれた彼と合流し

夜空を見上げるのが

習慣のようになってた。

 

 

子供のころに

星座版を片手に見上げていた夜空。

 

 

あの頃に戻ったように

感じていた部分と

 

あの頃より、格段に知識が増え

夜空の眺め方が変わった部分。

 

どちらも、愛おしかった。

 

空を見ながら、星座の神話を語ったり

月の満ち欠けのことを学んだり

そんな時間が、楽しかった。

 

三日月は、それ自体の美しさと

地球照が見える美しさがあって

遠くの月に、今いる地球を感じた。

 

子供のころ持っていた

星座盤ではなく

季節の星座が描かれ

解説もついている本が

その頃の夜空のお供だった。

 

星は、ひとつひとつ

夜空に輝いているだけなのに

星座っていう、ひとかたまりで見ると

違って見えてくるように感じた。

 

それは、子供の頃と

同じ感覚だった。

 

星空を眺めている時間が

好きだっていう思いは

日々、強くなっていった。

 

初めて、天体望遠鏡から

夜空を見たのもこの頃だった。

 

肉眼ではわかりにくい月の移動も

望遠鏡越しの大きな月を見ると

あっという間に

望遠鏡の枠から外れていく。

 

確かに動いてる!

 

そこに、命があるように感じていた。

 

星空に詳しい彼に

なぜ、そんなに詳しいのか

聞いたことがあった。

 

彼も、子供のころ

星空を眺めては、妄想にふけり

苦しい現実を忘れていたと話してくれた。

 

心の距離が

一気に縮まったように感じた。

 

そして、はじめて

彼のことを聴き、私のことを話した。

 

いつか、月に行けるようになると

信じていることや

 

夜空と一体になった感じがするときの

至福の体験は

 

同じ感覚だった。