車中、ラジオを聞いて | えりっき脳内議事録(えり丸)

えりっき脳内議事録(えり丸)

Diary and memo written by a pathologist.

ご無沙汰しております。
まだ真冬だと思っておりましたら、いつの間にか3月も下旬に突入。
季節は春本番に突入しておりますが、私は浮かない心境でモヤモヤしております。
ブログに書き記すことができない程の、非常にまずい状況にあります。

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先週の土曜日のこと。
昔は車の運転中は専ら歌っていることが多かったが、
最近はラジオを聴いていることが多い。
これは、発想が独りよがりにならないようにと思って始めた習慣の一つである。
ふと、何気なく流していたラジオからピアノが聞こえてきた。
意識に止まったので、聞き入っていた。
パーソナリティが曲目を紹介するだろうと待って聞いていたが、
ついぞ解説を聞く機会なく、曲目も作者も演奏家もわからないままに目的地に到着した。
30分は聞いていたんじゃないだろうか。かなり長い時間に感じた。

最初の2曲は知らない曲であったが、映画に使われるような今風の曲であった。
キャッチャーなメロディーが耳に留まったといえばそれまでだが、
なんだろう、emotionalな印象を受けた。
テクニックがあるだけでなく、しっかり表現ができているというか。
荒ぶる感じ、いや、今思い返すと、奏者の苛立ちのようなものを感じたような気がする。
コンサートには相応しくない感情なのかもしれないが、音に表情があると感じた。

3曲目はガーシュウィンの楽曲だった。
この曲は感情を込めるような曲ではないと個人的には思う。
あくまで無機質に、テクニックをみせる曲。
この曲はでは前2曲とは一転、雑な印象を受けた。

雑さはさておき、心に留まるような演奏もあったのは事実で、
気になって帰宅後に番組を検索してみた。
どうやら、清塚信也氏のピアノリサイタルだったようだ。
私の聞いた曲は、Baby, God bless you、Brightness、ガーシュウィンメドレーの3曲だった。

この人の経歴を拝見すると、コンクールの入賞歴があるのに俳優デビューするなど、
正統派ピアニストのキャリアからは大きく逸脱している。
正直、迷走している感は否めない。
ピアノの才能あるんだから、それだけに集中すればいいのにと思った。
同時に、自分はこの人のことをとやかく言えないじゃないかと、自嘲した。
本人もきっとそう思っているのだろうか、それ故にこの演奏だったのだろうかと深読みした。