多くの企業で、今年入社の新入社員のみなさんに初任給が支払われました。
その使い道について、取材しているテレビ番組を見ました。
ほとんどの新入社員の使い道の第一位が「貯金」だったとか。
第二位は「親へのプレゼント」。
その対比で40代以上とおぼしき世代にも、新入社員時代を振り返ってもらっていました。
第二位は「親へのプレゼント」は同じですが、
上司世代の第一位は「会社の人や友人との飲み代」。
上司世代は「若いうちは貯金など考えずに、もっとのびのびやればいい」と言い、
新入社員は「将来が不安なので、いざという時のために貯める」と言います。
どちらが正しいというわけではありませんが、各々の世代の
価値観が培われてきた時代背景が大きく影響していることは確かです。
バブルが崩壊したのは、今から17年前の1991年。
新入社員のみなさんは、小学校に上がる前でした。
以後、現在にいたるまで、日本の企業社会は、長く苦しい不況期を過ごしてきました。
最近は、松下電器産業が過去最高の純利益をたたきだすなど
米国のサブプライムローン問題の余波を受けつつも、
業績好調な企業は多々あります。
しかし、業績好調の最前線である職場は、不況期の緊急避難的に導入された
成果主義やプレイング・マネジャーの負の部分の影響で、
ギスギスした空気に満ちています。
自宅でのお父さん、お母さんの会話も変わってきたはずです。
「会社になんて頼りにならないから、自分の力をしっかりつけなさい」と。
つまり、いまの新入社員は、生まれてこの方、
不安定で疑心暗鬼に満ちた社会をすりこまれ続けてきたのです。
そんな新入社員たちが、自分を守るために「飲み代」より「貯金」に走るのも、
当然といえば当然なのかもしれません。
今どきの若者を理解し上司としての要諦を説く管理職向けセミナー や研修を
依頼されることが多いのですが、その際によくお話しています。
若者に伸び伸びと仕事をさせるためには、
まずオトナたちは、若者の不安をとりのぞき、地に足ついた成長を支援するために
人間味あふれた温かい職場を作らなければならない、と。
私の論をまとめた本を、来月、新書 で発売する予定です。
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※前川タカオが代表を務めるFeelWorks