「テソン♪」の表示が点滅している
音符マークって!!!!

タプが
「チョコマフィンとバナナマフィンがあったけどチョコにした~」
と嬉しそうに戻って来たけど
「テソンから着信あったよ~」
と伝えると
「えっえっまじ?」
と慌てるからますます面白くて。
暖かい紅茶を飲みながら

ミチは笑いが止まらなくて困ってしまう。
タプがテソンに架けなおしてるのをボーっと見てたら。
「なにしてんの」
ってタプの背後からじよんが・・・。

メールしてない事に気付いて。
ジヨンの硬い声に反応して
すぐには声が出ない。

「・・・あっ、えっと」

「ちょっと、いい?」

タプが携帯で話してるのをいい事に
じよんはミチの手首を強くつかみ引き寄せる。
ミチは荷物を慌ててまとめて席を立つ。
右手にはチョコマフィンを手に持ったままだ。
カフェの外につれだされ、大通りから少し反れた路地に引き込まれる
その先は行き止まりで、人通りも少ない。
「痛っ」
「ごめん、力入れすぎた・・・。」
ジヨンはあわてて手を離すと、ミチの赤くなった手首を見つめている。
「あっ大丈夫、そんな痛くない・・・かも」
とミチは笑ってみせる。
・・・のにじよんは固まったまま無言だから怖いよ~。

「今日ごめんね~なんか、早く来ちゃったみたいで」

「待ち合わせしてたよね???あっと~あたしの勘違いかな?」
じよんが何も言ってくれないのでミチは不安になる。
その不安を埋めようと言葉をつなげてみても。
ジヨンの反応は薄くて・・・。

「えっと・・・怒ってる?よね?疲れてる?とか、もう帰ったほうがいいよね?あたし」

居たたまれなくて。
「また、よかったら連絡・・・してね」
とミチはその場から逃げる方法を選んだ。

だってもう泣きそうなんだもん。

今ここで泣いちゃって、もっと迷惑かけて、嫌がられるなら
この場から消えたほうがましだって思えるよ。
心を決めてミチは大通りに向かおうと歩き出す。

「待てっ…て」
ジヨンはまたミチの赤くなったほうの手首を掴む。
「っつ」
「あっごめっ」