彼の鼓動が一段と早くなったのがわかる。

「伝えたい言葉???」

あたしがそっと顔をあげテソンを見上げると。
彼も優しくあたしを見下ろしている。

「ずっと言おうとしてた」
「ねぇ、今言ってみて、気に入らなかったらまた泣くから」

テソンは照れくさそうに笑って
顔を近づけてくる。

何が起こるんだろう?
なんかドキドキするって~~。
じーっとしてられなくなって。
「近いんですけど…」
と指摘したら
「うん、知ってる」
とかって落ち着いて言う彼、いつもはあたしのペースなのに
こんなの初めてで
身体を離そうとしたらバレて左手首を掴まれて
それが少し・・・痛い。
痛いから逃げたくなってジタバタしてみたら…。


「好きだから」

って鼻先で呟くから鼻がくすぐったいっ。
って????えっえっえっ???
何て言ったの??今???
頭の中で疑問符が渦巻いてる。
とても不思議そうな顔をしてたんだと思う。
彼は目を細めてあたしを見つめると。
腕を緩めてあたしを自由にしてくれた。

と思ったら。

そっとくちびるにキス

テソンのくちびるは厚くて柔らかいから
優しくて甘くてとても気持ちがいい。

そしてもう一度

「好きだから…ね」

とあたしの耳元で囁くと
再びくちびるを奪われる。

どんな顔してるんだろう~と目を開けると

テソンの後ろに夕焼けが広がっていて。
太陽が隠れようとしていた。

日が暮れて夜になっても、もう寂しくなんてないね。
だって一緒に居てくれるんでしょ?

二人で居ても寂しい時はちゃんとお話するね。
そんな時は、テソンがキスしてくれるんだよね?

そして
「大丈夫だよ」
って言ってくれるんでしょ?


あたしの大好きなその声で。




~~~END~~~