柔らかい枕をだっこして、いい感じに沈むベットで
気持ちのいい眠りを貪ってる。
もうお昼???日は高くなって窓から直接光が入ってきて眩しいから
体勢を変えつつもまだ眠ってるというw

ドア鍵がカチャリと音を立ててる。
彼が帰ってきたのかな?
枕元に置いていた携帯を見ると
軽く12時は過ぎていて
眠たい目をこすりながら身体を起こして
ドアを見つめてた。

ドアノブが回され、静かに開いたドアから
黒髪で綺麗で素敵な女の人が入ってくる。
靴を脱ぐと慣れたように冷蔵庫を空けて
新しいミネラルウォーターを手に取り
すごい勢いで飲み始めた。
隠れたほうがいいのかな?

ズルズルとシーツで顔を隠しながら
ベットを降りて、床をにじりにじりしてたら
床に置きっぱなしのグラスにシーツが引っかかっちゃってたみたいで
大きな音を立ててグラスが倒れて。
「誰~」
ってその人が軽く言うから。
「ごめんなさい」
って意味も無く謝っちゃってた。

「初めてみた顔ね」
ってすごい威圧感・・・。
「えっと~あの、ゆきって言います」
「そ、で今付き合ってるの?」
ってけだるそうにバックから鏡を取り出して
口紅塗りなおしてて。
それがまた色っぽくて負けたと思った。
「なん・・・って、いうんでしょう」
「じゃぁ、何よ?」

間髪入れずにポンポン質問がやってきて
頭の中混乱してきてる。
「何でもないんですっ」
とはっきり言ってしまって
悲しくなった。
何でもないハズない~。
あたしの中では昨日『好き決定』したし。
タプはあたしのことどう思ってるかはわかんないけど。
きっと嫌いじゃないよ優しいし

「何も・・・無いの?」
「はい、あっえっと、キスはしちゃって・・・。」
ってなんでソコまで話しちゃってるんだろう。
多分この人が彼の彼女なんだと思う
彼女が居るなんて知らなかったけど
あたしは単なるからかい相手で
完全に負けてるってわかってるから。

素直に話してしまいたくなっただけ…。

その人は床にへたり込んでるゆきに
「面白い子ね」
と言うと手招きして呼び寄せて
自分の座っているソファーに座らせた。

「ちょっとまっててね」
と携帯を取り出しどこかにcallして
「もしもし?今どこ?」
と話し始める。

このタイミング、この状況・・・タプと話してるに決まってる!
「今あんたの部屋なんだけど、帰ってこれるの?」
携帯からもれて聞こえる彼の声は明らかに焦っていて
「すぐ戻るから」
って離れてても聞こえてくる大きさで。
なんだか可愛そうに思えてしまう。

多分あたしが悪い・・・。

かっこいいし、強引だし。
不思議なところがあって、そのよくわかんない所が魅力的だよね?
彼女が居る、可能性は十分にあったはずなのに。
自分の気持ちにばっかりに気をとられてて
周りが見えてなかった。
黒髪の彼女があたしに入れてくれたコーヒーは本当に美味しくて
涙が出そうになる。

1時間は待った・・・彼女は気さくに話してくれるけど
あたしには余裕が無くて・・・。
もうだめだっておもったから
荷物をまとめて帰ろうとしてた。
玄関で靴を履いて。

出て行こうとしたら、先にドアが開かれて。

走ってきたんだよね?
額に汗が浮かんでて息も荒くて苦しそう。

「ごめんね。おじゃまして、あたし帰るね」

と彼の横をすり抜けて・・・。
それなのに彼はあたしの腕を痛いくらいに掴んで引き止める。
「何?あたしで遊んでたんでしょ?反応みて楽しかった?」
困った顔の彼に言葉を続ける。
「もしかしてって思ってたけど、がっかりした~彼女居たなんて」