「だって、予想どうりだし」
「ぇえ~~~」
と驚く彼女のおでこに、チュって軽くキスをして
ポンポンと頭を軽く撫でると
外したブラウスのボタンを閉め始める。
その優しい仕草が堪らなくて。

思わず
「いいの」
って言っちゃってるし。
怪訝な顔で彼が
「え???」
って聞き返してくるけど。
気持ちは変わらなかったから。
「…いいの」
って繰り返して。
ボタンに伸びている彼の手を押しとどめて。
ゆっくりと外していく。
それをジヨンは心配そうに見ていて
今度はミチが笑ってしまった。

「したくない?」

って聞けるくらいの余裕があるのって凄い!よあたし
最後のボタンを外し終わる直前に
彼が強く抱きしめてきて。
強すぎて肩も腕も痛いし、息をするのも苦しいくらいで。

少し低めの声で
「ごめん」
って謝られると悲しくなる。

あたしなんか間違ったことしちゃったの?かな?

「なんで?なんで謝るの?」
って聞きながら、我慢したけどやっぱり泣いちゃってた。
軽い気持ちで『いいの』って言ったわけじゃないもん。
本当にそう思ったから、だからなのに…。

「ちゃんとしたいから」
と、ジヨンは彼女の涙を拭って。
そしてまぶたにくちづける。
それでも溢れるミチの涙に、悲しい顔をして
「初めてを、特別にしたいから、今日は我慢…する」
って優しく笑ってくれてる。

大事に想ってくれてるんだって…。
彼を好きになって、本当によかったって思ったら。
また涙が出てきちゃって。

悲しい涙じゃなくて、嬉しい涙なのに

ジヨンは切ない顔をしていて。
「もう大丈夫だよ~」
って涙声で言っても。
強く抱きしめる腕を緩めてはくれなくて。

「ジヨン?」
「ん?」
「大丈夫だよって言ったの聞こえてない?」
「…聞こえてる」
「そんなにキツくしなくても大丈夫だよ」
「…。」
「ねぇ?」
「…」

「もう少しこのままで」
と彼は言うと、彼女を抱きしめる腕が少し緩んだ。
彼も感情を抑えてるんだと、気が付いて。
ミチは彼の体に腕を回して
ギュっと抱きしめ返して…。

「大好きだよジヨン」

とつぶやく。

「うん」

と彼は頷くだけで言葉を返してはくれないけど。

「本当に好きなの」
とつぶやきながら。
この気持ちが伝わりますように…と。
自分からそっと彼にキスをする。

「それは・・・知ってる」
と、彼は切ない表情を隠さないまま
少し微笑んで。
ミチのキスに応えて
「俺も」
って何かのついでみたいに言うから。

ミチは笑ってしまう。
そんな彼女を嬉しそうに見つめて
「笑ってる方がいい」
とジヨンも微笑んでいて。

笑いながらキスするから
歯が当たっちゃって、それでまた笑い合って…。

彼が
「チョコ食べたい」
って言うから
「じゃあ口移しで!」
「うんそれで~」

って今はこういう二人で十分だよね。
だって、これからいっぱい

素敵なこと出来るもん




☆★☆END☆★☆