携帯とメモ・・・。
見つめ続けて何時間経ってるんだろ。
まだ2時間くらい????
でも約束は約束、守らなきゃ。

番号を押してコール2回目
3回鳴らしたら切るよ~って
思いついたら
「はい」
って出たけどお互い名前知らないから
二人でただ笑ってて
連絡する前の不安が一度にふっとんじゃった。
「名前知らなかったから」
「うん、言ってないし聞いてもないね」
「あたしはカオリ」

「カオリかぁ、おれはスンヒョン」
「スンヒョン?」
「」あぁ~、タプでもいいよ」
「タプ???」
どっちにしても変な名前だ。
かっこよかったからモデルかなんかなのかな?
でも姿勢悪かったし…。
とか考えつつも
「じゃぁタプって言うことにします」
と改まって言ってしまう。
まだまだ怪しさ全開だけど、声はすごく穏やかで
そして優しい響きしてるから
「ちゃんとお家に帰りました」
とだけ言って電話を切る。

また会いたい人だけど。
何かのきっかけがないと逢えない人だと思った。
そのきっかけが何かはわからないけど
親しみやすい笑顔のその下には入り込めない何かがあって
今までの繋がりなんて全くないあたしに…。
繋がったのがタイヤキだけのあたしに
この次なんて、ないない~って
ただ笑ってたっけ。

その後、あのタイヤキ屋さんに何度か行ったけど
彼に会うことはなくて。
そのまま忘れようとしてた

そう、これからのことなんてあの時には
まったく予想つかなかったよね。