マンションに着いたのは3時過ぎ。
仕事終わってから来るって思ってるから
きっとビックリしてくれるよねw
ドキドキしてるし緊張もしてる
それを深呼吸で落ち着かせて
思い切ってインターホンを鳴らしたのに。

反応ないんですけと…。

来るの早すぎたの?
待ってるって言ってたのに??
電話してみようかな?
うつむいてiPhone見つめてたら。
ドアがいきなり開いて。
予測してなかったからオデコにゴンって
ほんとシャレになんないくらい痛いし
星はチカチカしてるし。
シュークリームは潰さないようにしなきゃだし。
ああああ~すごく混乱してて
痛いって声も出ない~。
ぼーっとして立ちっ放してたら。
荷物全部取り上げられて
ふわふわしてる~よ。

タプの顔がすっごく近い???
心臓の音が近くから聞こえてくるよ????
触れちゃいそうだから手を伸ばしてみたら。
頬に頬に手が届いて…。
そしたら彼、こっちみて、ニヤニヤ笑ってるよ?????

「重い重~い」

ってソファーにそのままばさっと落とされて。
またまたびっくりするじゃないですか。
あ~~抱きかかえられてたのねあたし。
ちょっと~しっかりしてよ。
今のは記念すべき初めてのお姫様だっこだったのに。
もう記憶に残ってない!!!
泣きそう、いや泣いちゃうっ
口を尖らせて悲しい顔してたんだと思う。
「アイス食う???」
って急すぎる発言に悲しいのも引っ込んじゃったよ
外は熱かったしアイスもいいけど
「美味しいシュークリームとチョコ持ってきたんだけど」
と慌ててお土産を指差してアピールしてみたら。
「チョコ??じゃあやっぱアイスだって」
とよくわからない事言いながら
「まいはストロベリーで俺バニラ」
って、選択権は無い様なのでそのまま受け取って。
スプーンですくって食べようとしたら。
「まって」
って、何を待つんだろう。
彼の顔をじーっと見つめてたら
えくぼが浮かんでた。

好きなんだよね、あたしこの人がw
ってほにゃほにゃしてたら
そっと優しいキスが降ってくる。
丁寧にゆっくりとあたしの様子を気遣いながらのキス
凄く美味しそうにくちびるがムハムハ動いてて
ほんとうに食いしん坊なんだなって。
キスされてるだけなのに
身体中が反応しちゃう
あたし、食べられちゃってるみたいだね。
感覚に身を委ねたら
もう戻って来れなくなっちゃうよ。
だから彼の舌が中まで入ってくるのを許してなくて。
拒まれると感じてるのかな?
彼はただ笑いながら。
「まいのアイス一口頂戴」
って言ってくる。
慌ててスプーンで
ストロベリーのいっぱい入った所をすくいとって
「はい、あ~んw」
って口に運んであげたら。
「もっともっと」
とねだられて、何度もあ~んしてたら。
「まいも食べたいでしょ」
って、そうだよ!!!
食べさせてあげてぱっかだったから
一口も食べれてない
うんうん頷いてたら
そのまま口移しって
計画的だよね?そうだよね?
だからずーっと笑ってたの?

苺のフレーバーと甘酸っぱさと
アイスの冷たさ・・・。
対照的に彼の感覚は暖かくてあたしの中を
心地よく探ってくる
その感覚に圧倒されたまま。
逃げる事はできなくて
ただ受け入れてる。
口の中のアイスが完全に溶けてしまうのと同時に
キスはあっけなく終わってしまう。
何事もなかったかのように
自分のバニラアイスを食べ始めてる彼の口元には
微笑が浮かんでいて。
急に距離を感じてさびしくなった
あたしの気持ち見透かしてる気がして
自分のアイスをスプーンで弄びながら
冷静になろうと頑張ってみる。