指紋防止・防汚性のメカニズム | フロロサーフ 技術情報

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撥水・撥油・耐酸・防汚・指紋付着防止・防湿・低摩擦などの機能を発揮するフッ素系コーティング剤【フロロサーフ】の最新技術情報を紹介いたします。 

 フッ素コーティング剤で、なぜ、指紋の低減ができるのか?


このようなお問い合せを時々いただきます。


まず、「指紋とは何か?」 という基本的なところから考えますと

指紋の主な成分は 1.皮脂 2.汗 の2種類の液状成分からできています。


これらの成分が物質の表面に付着しているときは、これらの指紋の成分と、

付着している表面の間に「分子間力」と呼ばれる力が働いています。



分子間力は、物質の分子と分子とがひっぱりあう力です。

この力は、一般的には「表面張力」とも呼ばれてたりします。

コップの縁ぎりぎりまで水を入れても、水が盛り上がってこぼれないのは

水の分子が分子間力(表面張力)で引き合っているためですね。


下の図は水分子について、分子間力を説明したものです。







分子間力は引力とも似ています。

ニュートンがインスパイヤされた、リンゴが地面に落ちる現象は、

リンゴと地球が引力で引っ張り合ってるからですね。

この場合は、地球が一つの分子、リンゴを一つの分子と仮定すると、

分子間力と引力はよく似ていることがお分かりいただけると思います。



下の図は指紋の成分が固体表面に付着している模式図です。

黄色い矢印が分子間力を表しています。



分子間力が大きい場合




フロロサーフはこの表面の分子間力が世の中の物質の中で最も低い

部類の物質です。


指紋を付けたくない表面にフロロサーフを塗ってやると、分子間力の低い

フッ素樹脂の膜が表面にできるため、指紋成分の付着力が大幅に下がります。




分子間力が小さい場合




この状態でテイッシュペーパーや木綿布などの天然繊維 (分子間力が高い)で

ふき取る場合、指紋の成分と繊維の間に強力な分子間力が働きます。

このため、指紋成分が繊維に吸い寄せられ、簡単に拭い去ることが可能になるの

です。



ふき取りのメカニズム



これは、フッ素樹脂加工されたフライパンなどが汚れや焦げがつかないのと同じ

メカニズムなのです。


ちなみに、合成繊維は分子間力が低いものが多く、汚れを吸い取る力が弱いの

ですが、静電気を発生しやすいので、静電気の力で汚れを吸い取るものがある

ようです。  (^O^)