PFASについて(2) 規制の方向性(2023 8月31日時点) | フロロサーフ 技術情報

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PFASについての現状についてご説明いたします。

 

前回の記事にて、現状の規制物質3種類についてご説明いたしました。

今回はそれ以外の今後のPFAS規制案について簡単に説明いたします。

 

 

【EU規制案 (ドイツ、スカンジナビア諸国を中心とした規制案)】

 

 現在下記のPFAS規制案についてEU諸国の討論が行われています。

 

 * PFAS (前回の定義をご参照ください)の各用途において代替物質に置き換え撤廃する。

 * ただし、代替物質への置き換えに要する期間を、即時、5年、12年として、その間に代替となる物質の選択を各ユーザーに要求する。この移行期間終了後は使用禁止とする。

 * エッセンシャルユース(規制対象外用途)として、幅広く意見収集し、技術的に代替物質がない場合は規制対象外とするかどうかを検討する。

 

今年9月22日までを意見(パブリックコメント)収集(誰でも意見をEUの委員会に提言することができます)して、規制により大幅な技術的影響が出る用途について情報を集め。その中からエッセンシャルユース(規制対象外)とする用途について検討するとのことです。

 

現実的にPFASすべてを規制してしまうと、半導体や自動車、各種電子機器などの生産ができなくなる可能性があるので、そのようなことにならないよう各方面からの情報を収集し、規制の方向性を検討するということです。。

 

 

意見収集の窓口は下記となります。

 

 

 

 

 

弊社においてもすでに、規制対象外を希望する11種類の用途について意見(パブリックコメント)を送付いたしました。

 

日本経済界(自動車業界、フッ素化学メーカー、半導体メーカー、経済産業省など) からもかなりの数の(弊社推定で、4000件以上)意見や規制対象外の申請が提出されているようです。

 

このことにより、当初2025年より施行と言われておりましたが、おそらく施行開始時期は大幅に延長されるのではないかと推測されます。

 

また、この規制案は、そもそもEUの定める基本ルールに違反している (技術的データもない化合物を憶測だけで使用禁止にすることはEUルールに違反します)ため、大手フッ素樹脂メーカーはEU裁判所に本規制案の撤廃または縮小について提訴する動きもあるようです。

 

【 具体的な規制のおとしどころ(弊社見解)】

 

これらの動きを鑑み、弊社の現時点での推測としては (ハズレの可能性もあります)

 

PFASになかでも規制対象物質は大幅に限定され、おそらく、テロメリゼーション法によるフッ素化合物=いわゆるC2~6といわれる化合物についてのみ撤廃となるのではないかと思います。