「コピーライター書く語りき。」という本を読みました。

156人のコピーライターが、「未来のコピーライターへの手紙」を

書いていました。

いろんな人が好き勝手に、言ったもん勝ちのように

お説教じみたことを書いていました。

おじさんたちよ。

あなたたちがコピーライターを目指していたあの頃

そんなこうるさいことを言うオトナの言葉なんて

耳を傾けようとしましたか?

だんだんと、つまらない人になっていないだろうか。

いけないいけない、我がフリ直そう。

ぷるると震えました。

親父臭漂う回顧録のなかに、キラキラたたずむ文章がありました。

麻生哲朗さんというわたしの1つ年上のクリエーターが書いた

「未来のコピーライターへの手紙」が

あまりに素晴らしくて、胸がいっぱいになって、

携帯電話のメモリーに入れて、毎日の通勤電車で読んでいる近頃です。

どんな仕事にでもあてはまるようなことだと思います。

あまりに素晴らしくて、切なくなって、がんばろうと思った。

麻生哲朗さんは、TUGBOATの若手プランナーでもあり

SMAPの、「ようこそ日本へ、君が今ここにいること」っていう歌を

作詞された作詞家でもあり、この2008年の日本に

元気の風をいろんなかたちで送り続けている人です。

* * * * *

「未来のコピーライターへの手紙」 麻生哲朗


自分で選んだ職業であること、それを選べた幸運を

忘れずにいようと思う。

時には拍子抜けするほど、素直に感じ続けようと思う。

ささいな違和感を、押さえ込まないでいたいと思う。

特別な道を歩くのではなく、普通の道を、丁寧に歩こうと思う。

批評するくらいなら、アイディアを出そうと思う。

断る理由を考えるくらいなら、打破するアイディアを考えたいと思う。

自分らしさを誇示したり、ムリに守ったりしないでいようと思う。

にじみ出てしまう自分らしさを信じようと思う。

一人きりで考え耽る喜びを、忘れないでいたいと思う。

仲間と作り上げる興奮に、麻痺しないでいたいと思う。

商品への偏愛と、街角の気分の狭間で、葛藤し続けようと思う。

無限の言葉と、巡る時代のかけ算を、これからも存分に楽しもうと思う。


僕は、未来に向かう自分自身にそう言いたい。

だから、未来のライバルたちにも、同じ言葉を送ろう。


麻生哲朗。

* * * * *

なんど読んでも、胸がいっぱいになる。

特別な道を歩むのではなく、普通の道を、丁寧に歩こうと思う。

ほんとうにそうだね。

ちなみに、TUGBOATで昨年連載をしていました、magabon

あたりまえの日々を、大切にしようと思う。