変わることや失うことが恐くて
無難な答えや
今まで大丈夫やった方を選択する癖がついていた
心の声を無視して
頭で考えてばかりいた

本心、心で決めていないから
決めた道にウキウキするはずもなく
ただただ
これで良かったんやで、こうするべきやったと
自分で自分に言い聞かせて一歩進む
そしてまた、進んだ先の選択で
心を無視し頭で決めて言い聞かせる

これの繰り返しを何年も何十年も積み重ね
ウキウキしない道を歩いてきたと思う






ふじこは
あらゆるラッピングの技術を極めたわけでも
高額セミナーでいくつも資格を取ったわけでも
百貨店で修業を積んだわけでもない
藤井酒販でしかこの仕事をしたことがない

それやのに

変わらずずっとそこにいて欲しいと願う
たった一人の愛する人へ
別れゆくその時に
つつむを贈りたいと
ふじこに、そんな大したことないふじこに言ってくれる


だから
頭でなく、ふじこの心だけで選んで決めた
私を信じてくれる人を信じて
そんな私を信じてつつんだ




変わる不安
失う哀しみ
守りたい愛情
感じ続けたい温もり




つつむを選んでくださる理由が
一流の技術でも
一流のセンスでも
一流の販売でもないならそれは

「相手を想う」かもしれない

「そんなふじこを信じている」なのかもしれない



変わっても失っても寂しくても泣いても
それでも大丈夫
ふじこが大丈夫やからきっと大丈夫って
つつむが伝えているからかもしれない