ドイツ対ブラジル戦はドイツが勝つと予想した人も、あそこまで開くとは思わなかっただろう。
記録的な点差で、ネットにも書いてあったが、今後100年は語り継がれるであろう試合であった。
今回の大会では、超スピードカウンターという、今までのカウンター攻撃をさらに攻撃的にした戦術が目立ち、結果もだしている。誰もがオランダの攻撃に感動したはずだ。
そんなトレンドの中、ドイツはパスサッカーを徹底し、ここまで勝ち上がってきた。
パスサッカーといえば、スペイン。だがグループリーグで敗退したことで、いよいよサッカー戦術の世代交代かと思われた。
では、ドイツのパスサッカーは今までのそれと何が違うのだろうか。
ブラジル戦だけを検証してみると、以下の3点にそのヒントが隠されているように思える。
1.ハードワークを惜しまない。
スペインのパス回しはなるべく自分達は疲労せず相手を走らせる、という前提のもとに組み立てられている。ドイツの場合一目瞭然で全員が縦に横に走っているのがわかる。相当疲れるはずだが、それを戦術としている。これは、自分がファンだからというわけではないが、近年のドルトムントの戦術から取り入れられたと思われる。
また、以下にも書くが、このハードワークが攻撃の守備のフォーメーションの変化を容易にしている。
2.フォメーションの変化
試合中の人数に注意してもらうと分かるが、試合はじめに出るフォーメーションではドイツは日本と同じ4231のことが多い。よくみると442の2が縦になっているのが正しいフォーメーションだと思うが。
どちらにしろ1番後ろは4人からスタートするが、試合が始まるとすぐに変わる。ゴールから持ち上がる時、1番後ろが2人になりその前に1人か2人、前に人数がずれていき、相手ゴール前に攻め込む時は通常で4人、多いと6、7人いることもある。
また、前線のサイドが大きく広がっているためそこもマークして中もマークしなければならない、という状況が生まれる。
相手としては、人数が足りないし、外側と中と目をやらないといけないので、かなり危機的状況になる。
ブラジルが点を取られているのは、この現象で、ゴール前で人数が足りていないのが原因である。
これは人数がたりないという単純な問題ではなく、そもそもの戦術を考え直さないといけないとても大きな問題でる。
また、ドイツ守りの際はその逆で最後部は6人で守っていることが多い。
このように、攻守時ともに数的有利状況を必ず作る。そのようにルールが作られているはずである。また、そのように動くには、上記のように、1人1人がハードワークを惜しまず走るということが大前提にある。
3.パスルール
続きは次回に。