ありがとう。
というのは、有難う、と表記されますね。
これはあるということがほとんどない、珍しいできごとであるという意味なんですね。
つまり電車で席を譲ってもらうとき、ありがとうということばに対して、どういたしまして、と応じることで、会話が成立していますが、「席を譲られたことが稀有のことであり、そんなことをされる」と恐縮するということばに対して、「そんなにおっしゃるほど珍しくなく当たり前のことです」と応じることが、感謝に繋がったとなっています。
ですから語源は「稀有の享受」ということです。
時代劇を見るとよく出てくる「かたじけない」というのも、難しい、「難し」気持、難し気が「かたじけ」であり、自分にはなく素直にお受けしたいという意味です。
英語のサンキューは、サンクとユーですが、ユーは「あなた」ですね。サンクは「考える」という意味の「シンク」「シンキング」が派生したことばで、あなたの行為を私なりに考えているという意味です。
ですから本来の翻訳でいえば、サンキューは忝ないが正しいわけです。
ありがとうはどういたしましてと対になって、感謝になったわけですね。
席を譲られた時
ありがとう
といって、しょうがないじゃないか、といわれると、感謝に相当することばにはならないのがありがとうなんですね。