天皇の生前退位がほぼ確定ということから、ふと思ったのが塾生のみなさんは天皇の名字がないことはご存じでしょうね。ということでした。
よく天皇家といういいかたをしますから、天皇が名字と思っている人がいますが、ここでいわれている天皇家というのは、現在でいえば今上天皇である昭仁天皇の家族という括りをわかりやすくするためにいっている便宜的な表現で、もちろん天皇には名字はありません。
同じように皇太子家というのも同様です。
実は同じ王家国家であるイギリスも同様で、現在のエリザベス女王には名字はありません。
しいていうなら国家名が名字ということでしょう。
つまり名字は家族の括りを示す意味でつけられた記号というわけです。
この天皇の子孫が、分家をして有名なところでいえば、藤原とか近衛、さらに武家に下って源、平という姓になったわけですが、いってみれば、日本人はすべて天皇家の子孫ということになるわけですね。
子孫といっても天皇家とほとんど血縁は限りなくゼロですから、昔は武士であれば源の足利とか新田というように、ルーツを名字の上に冠したもので、すなわち名字は出生を意味する、文字のDNAということになります。
パスポートには必ず国名が記載されています。
これはどこの国という意味ではなく、どこの家族という、もっとも大きな家族の括りを証明しているわけです。