母の涙
こんばんは!関野彩子です(^^)
最近泣くこと・・・
感情の浄化について書かせて頂いています。
私の母の事になります。
塗装業を営んでいた父の手伝いをしながら、家事育児をこなして来た母です。
日々、事業の資金繰り、家計のやりくりに追われていた母です。
「貧乏暇なし」という言葉を、母の口から聞かなかった日の方が少なかったかもしれません・・・
父は経営上は社長でも、下請けの業者さん。職人さんには、私たち家族が食べていけなくても毎月のお給料を支払わないといけません。
資金繰りに明け暮れていた母…
お酒に酔い潰れ、愚痴や不平不満をあらわにする父への不満、やりきれない感情も多々あった事と思います。
幼い頃から私は母が泣いている所、笑っている所をあまり見ずに成長しました。
見ないというよりも、泣き笑う事が母はなかったかもしれません。
母=泣かない人=冷たい人
という感じでしょうか(笑)
私には「統合失調症」という精神疾患を持つ姉が一人いるのですが、その姉の同級生。
姉の同級生も姉と同じ精神疾患になってしまった時の話です。
入院していた姉の同級生のお見舞いに、私と母と姉、三人で行った事がありました。
当時の私は高校生だったと思います。
大学病院の精神科の棟は1つだけ他の建物と離れていました。中に入り、受付を済ませて・・・
久しぶりに可愛がってくれた優しい姉の同級生、◯◯子ちゃんに会える!
当時の私は不安より期待の方がはるかに大きかったです。
期待を胸に、エレベーターを上がって病棟へ入った瞬間…
想像していた病室とは全く違う、鉄でできた柵…檻のような仕切りには鍵がかかっていました。
一人一人患者さんが出られないようになっていて、コンクリートの壁からは冷たいすきま風が入ってくる…
そんな病棟でした。
うめき声のような声、檻…柵の向こうにはトイレもありました。
◯◯子ちゃんはここで入院しているのか・・・
この檻の中で…寝て、起きて、食べて…
私は姉の同級生に会えた嬉しさよりも何とも言えない、心を押し潰されたような…
言葉にならない感情に締め付けられていたのを記憶しています。
せっかく会えた面会なのに言葉にならない。
何て話しかけたらいいんだろう…
ふと気づくと、一緒にお見舞いに来た母の姿がありません。
そのうち戻るだろうと思いながら10分、20分…30分経っても母の姿がありません。
痺れを切らした私は母を探しに行きました。
こんな大事なときに母は一体何をしているんだ!
若干私の中で怒りも沸いてきていました。
やっと母の後ろ姿を見つけたと思ったその場所は…トイレでした。
全くこんな所で…
「何をしているの?」と声を掛けようと母に近づいた瞬間です。
声を押さえて、周りに響かない聞こえないように嗚咽している母の姿がありました。
泣いた事が周りにわからないように、洗面所で顔を洗う母・・・
泣かない母、何があっても泣かない強情な母…
その母が、今、私の目の前で声を殺して泣いている
顔を洗いながら、泣き顔を消そうとしながら…
母は言いました。
「可哀想でね、◯◯子ちゃんが…帰りたい。家に帰りたいってずっと言ってる◯◯子ゃんが凄く可哀想でね」
高校生だった私は、母にかける言葉を失いました。
何も言えず、ただ、トイレの洗面所に立ち尽くしながら…
母の姿を見るのが精一杯でした。
今ならわかります。
母は、ずっと感情を出せる時が無かったのだと…
ずっと我慢をして、ずっと自分の感情に背を向けて…
ずっと自分の感情を押さえていたのではないか…
押さえる事しかできなかったのではないか…
何かの出来事や、何気なく響いた言葉、文章などに涙する事があります。
その時の、ありのままの自分の感情を出せる事、出せる場がある事。
とても大切な事だと改めて感じます。
感情を押さえていませんか?
背を向けていませんか?
遅いという事は絶対にないです。
気づいた今、この瞬間から人は変われる❗
変わって行ける力が、私たちにはあるからです…
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