ウダルチ隊長などという
厄介なものを引き受けてしまった・・・

満たされぬ思いを抱きながら
毎日 死ぬために生きる

俺はどこに向かうのか・・・



今宵は風が強い

わずかに残った木の葉も
この風では
一枚残らず 落ちてしまうかも知れぬ



どこからか
女人の叫ぶ声が耳元で聞こえた気がした



か弱い声が 「嫌だ」と確かに言った ・・・


辺りを見回したが 女人の姿はない

 
雨雲に覆われたかのように
急に俺は心が乱れ 怒りに我を忘れた
誰が 女人を泣かせたのか


頭より先に からだが
天空に雷光を放った・・・




*******


馬上で居眠りをしていたようだ
傷口に鈍痛が走り 熱を持っている
神医が拾ってくれた命だが
まだ回復とは言いがたい

身体が弱っているからか
遠い記憶の夢を見た



開京まであとわずか 
無事に新王を送り届け 
神医を天結にお連れしよう

今考えることは それのみ
俺はぐっと前を見た


それにしても 王妃と同じ輿に乗る
神医といわれるあの女人 

「ウェイ? ウェイ? ウェイ?」
と俺を困らせる

なぜ? どうして? なんでよ?
ことあるごとに
いちいち尋ね 言葉を返すこちらの戸惑いなど
まったくもって 気にしていないようだ



他人と関わるのは面倒だと
俺の心を知ってか知らずか・・・

そんな女人の発する声が
先ほどの夢の女人と重なった

そんなわけはない・・・


ひどく心がかき乱されるのに  
いつまでも
その声を聞いていたいと思う辺り

俺も相当おかしいに違いない
長旅の疲れであろう・・・

眠気を振り切るように
愛馬チュホンの 腹を蹴った



*******
  



ヨン・・・
惹かれてやまない心は 恋心・・・

『今日よりも明日もっと』
皆様の街もよい天気になりますように・・・
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村