星空に光る汗ばんだ

チェヨンの肌

その肩から腕にかけて

ゆっくり指でなぞって

ウンスはホッと息を吐いた

 

 

綺麗な肌・・・

 

 

激しく燃えた後

艶やかな色気を漂わせている

夫の横顔を

ウンスはじっと見つめていた

引き締まった筋肉質な体

腕の太さはたくましさの表れ

 

 

でも・・・ここ・・・だけ・・・

傷跡・・・ごめんね

 

 

ふと目に止まった

わき腹に残る刺し傷は

かつてウンスが

意図せずつけた唯一の傷跡

 

しゅんと

うなだれるウンスの顎を

ぐいと持ち上げると

チェヨンはくちづけ

舌をからめとった

 

 

よ・・・んっ?

 

 

そんな顔を致すな

俺はこの傷が愛おしいのだ

イムジャとの馴れ初め

これがなければ

今の暮らしは

なかったかもしれぬゆえ

 

 

そお?かな?

でも私のせいで

死にかけたじゃない

 

 

だが

イムジャが救ってくれた

あの時以来

俺の命はイムジャのものだ

 

 

私はヨンのものよ

 

 

ああ 知っておる

 

 

もう一度唇を重ねる

愛しい人と過ごす

愛しい夜が

再び時を刻んでいく

 

 

ーーーーーーー

 

 

ばぁば

相談があるんだけど

 

 

翌朝 タンは

神妙な面持ちで

夜遅くに王宮から戻った

大叔母に言った

 

 

どうした?

昨夜はすまなかったね

ヘジャに仔細を聞いたが

タン 大変だったろう?

 

 

チェ最高尚宮は

しっかり者の長兄を

ねぎらった

王妃様の里 元国から

王家に使者が来たのだが

その一人がチェ最高尚宮の

顔見知りであったため

大妃様から

急な呼び出しがかかったのだ

もちろん今となっては

王妃様とはわだかまりもなく

嫁姑として過ごしているが

もともと大妃様は

大の元国嫌い

だから

使者を出迎えるに当たって

心の友であり

信頼するチェ最高尚宮に

そばにいて欲しかったのだろう

 

それに王妃様の元国の身内から

チェ家の跡取りタンへの

誕生日の祝い物が届き

それを受け取る必要もあったのだ

 

 

あのね ばぁば

なんかねぇ

みんな 

いっぱいガマンしてるけど

ほんとはオンマに会いたいんだ

だからね

オンマに会いに行っちゃあ

ダメかなぁ?

今日 ウォンが荷物を届けに

別邸に行くんでしょう?

それに乗って

こそっと顔見て帰ってくるから

 

 

チェ最高尚宮は驚いた顔で

タンを見つめ言った

 

 

偉いよ タン

勝手に行かずに

よくぞ このばぁばに

相談してくれた

 

 

利発なタンの頭を撫で

ばぁばは微笑んだ

五人の子供が

急に屋敷からいなくなったら

どれだけの

大騒ぎになることか

考えただけで

チェ最高尚宮は目眩がする

肝が冷える

だがタンはそれを踏みとどまり

ばぁばに相談したのだ

 

 

だって オンマがいつも

言っているもの

勝手にいなくなっては

絶対ダメですよ〜って

オンマが悲しむことは

したくないんだ

それにゴンは遠くまで

歩けないから・・・

ばぁば

どおかなぁ?

行ってもいいかなぁ

 

 

そうだね

そろそろいい頃合いかも

しれないねぇ

ウンスが元気かどうか

みんなで

確かめに行っておいで

オンマもきっと

喜ぶだろう

 

 

ええ?

ばぁばも行こうよ

ゴンもいるし

ぼくたちだけだと

つれていけないもの

 

 

こうして

タンに押し切られ

歓喜する子供達と一緒に

チェ最高尚宮は

温泉のある別邸へと

向かうこととなった

 

輿の中は大騒ぎだ

大好きなオンマに

もうすぐ会えるのだ

 

いつもは聞き分けのいい

ゴンでさえ

興奮して輿の中を

よちよち歩き回り

一番やんちゃなはずの

サンに抑えられる始末

 

 

ゆれるから

すわってないと 

めっ!

よ?ゴン いい?

 

 

すっかりサンも

お兄ちゃんらしく

なって来たものだと

チェ最高尚宮は目を細める

 

そうして

大人しく座る子供らを乗せ

輿が ごとごとと

石だらけの道を行くと

山の方は葉っぱが

色づき始めていた

 

 

つい先日まで

暑い夏だったのに

早いものだねぇ

 

 

季節の移ろいが

このところ特に早く感じる

チェ最高尚宮は感慨深く

呟いた

窓から覗く風景は

のどかな秋そのものだが

あとどのくらい

この子たちと一緒に

季節を巡ることが

できるのだろうと思うと

切なさが湧き上がる

 

 

命さえ

いつどうなるか

わからぬ激動の人生を

自ら歩んでいたくせに・・・

この子供らと過ごす

平穏な時間を

手放したくないと

思うようになるとは・・・

 

 

チェ最高尚宮は苦笑した

タンが生まれ

兄弟姉妹が増えて

愛しくてかけがえのない

命の絆をしみじみ感じるのだ

 

 

ねえ にぃに

オンマ げんきに

なったかなぁ?

 

 

窓を向いていた

スニョンがコソコソ

尋ねた

 

 

うん きっとね

きっと笑っているよ

 

 

そおだね

わらっているね

オンマはわらいがおが

にあうもの

 

 

ユニョンは鼻歌交じりに

タンに言った

 

 

あいたいね〜はやく

 

 

うん あいたいね〜

アッパにもオンマにも

 

 

膨らむ子供達の気持ちを

乗せて

輿は秋めく山道を

どんどんと登って行く

 

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

離れている時も

一緒にいる時も

心はいつもそばに

 

 

くま猫うさぎねずみトラ

 

 

ゴンの誕生日を軸に

お届けした夏の章も

次回

たくさんいただいたコメントの

返礼とお話の続きを少々

お届けして終わりとなります

 

夏真っ盛りだったのに

いつのまにか季節は確実に

秋へ〜

三連休最終日

肌寒い日となりました

どうぞ

安寧にお過ごし下さいね

 

さて

ゴンの誕生日の次は

長兄にぃにの誕生日!

今年はどんな誕生日かなぁ

そちらにもおつきあい

くださいませ

 

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