本日二度目の更新です

 

 

大晦日を明日に控え

この国一番

仲むつまじい夫婦は

揃って閨にいた

 

子供達は年末年始

ソダンも休みで

女中達と一緒に

朝から大掃除のお手伝いで

すっかり疲れて

ぐっすりと寝ている

 

イサは

ウンスの留守を預かり

診療所で

しっかり務めを果たして

夕方帰って行った

 

 

イムジャ

今日は疲れたのではないか

養成所の講義

王妃様のお相手と

忙しい日であったゆえ

 

 

そおねぇ 

診療所はイサがいてくれるから

安心だし それに私

忙しい方が性に合っているのよ

まあ このところ

出かけることが多くて

誕生会の準備が

なかなかできなかったけど・・・

 

 

ウンスはせっせと手を動かす

三つ子のために

もう少し手をかけて

やりたいと思っていたのに

王宮へ出向く機会も多く

パーティ準備は

なんだかんだと

ヘジャや女中達任せに

なっていた

だからせめて

お祝い返しくらいは

自分の手で完成させたい

ウンスは

そんなふうに思っていたのだ

 

 

それにしても

先日 タンの誕生会が

終わったと思うたが・・・

次はサン達の誕生会の

準備に追われておる

ではないか?

 

 

アレヤコレヤと

閨の片隅の卓で

せわしない

ウンスの手元を見つめながら

チェヨンは聞いた

 

 

タンの前にはゴン

ちょうど二ヶ月おきに

やっているわね

うふふ

でも三つ子だから

年三回で収まっているわよ?

 

 

そういう問題か?

イムジャは

何かと忙しい

そのような雑用は

気がねなく

誰かに頼めば良いのでは

ないか?

 

 

やった!

完成よ!間に合ったわ!

ん?

ヨン なんか言った?

 

 

妻はキョトンとした顔で

夫に聞き返す

 

 

いや・・・

まあ・・・その・・・

イムジャの気がすむように

仕上がってよかったな

 

 

お祝い返しの石鹸を

美しい紙に包み終わり

満足そうな

顔をしている妻へ

小言よりも労いの言葉を

添えることにした

 

 

ええ

ありがとう

柚子の香料を入れて

作ってみたのよ

評判がいいようなら

商品化しようかしら?

 

 

これ以上 仕事の

手を広げるな

俺との時間が減る

ではないか

 

 

妻ウンスの言い草に

少し唇を尖らせて

夫チェヨンは答えた

ウンスは度胸もあって

損得の計算も早いし

細かな気配りもでき

案外 商人の素質がある

だが・・・

口に出しては言えないが

チェヨンとしては

妻には自分だけを

見ていてほしいのが

本音なのだ

 

 

あらぁ

ヨンのことも

もちろん ちゃんと

見ているつもりだけど?

そうね

今夜はこの辺で

準備はやめるわ

あとはヨンとの時間に

切り替える

 

 

ウンスは拗ねた顔の

チェヨンの頬を

両手で挟んで

チュッと鼻先に口づけた

 

 

しょうがない人ね

不惑を過ぎたのに

ガキンチョで

かまってちゃん

なんだから

 

 

かっかまってちゃん!?

決して そっ

そのようなこと!

・・・ある・・・?

 

 

ムゥと唇を突き出して

チェヨンはもぞもぞ

言った

 

 

鼻先では足りぬぞ

 

 

あらぁ

じゃあ どこなら

足りるのかしら?

此処?

それとも此処?此処?

 

 

ウンスはチェヨンの

まぶたに

頬に

鼻筋に

唇を寄せる

 

 

もう良い

俺がイムジャを

食うとする

 

 

毎晩食っているくせに

ほんと

飽きないわねぇ

 

 

当たり前だ

好物は飽きることなど

ないものだぞ

 

 

そんなものかしら?

 

 

ああ そんなものだ

 

 

チェヨンはウンスの

腰紐をスルスルと解いて

その胸元に

満足そうに顔を埋めた

 

 

 

 

 

 

翌朝の大晦日は

高麗の冬にしては

珍しく暖かだった

 

三つ子の誕生日は

例年

年末年始の忙しさもあって

大々的には行う予定はない

 

が 屋敷に挨拶に来る方や

三つ子にソンムルを

渡しに来る方など

出入りが多い一日であることに

変わりはなかった

 

そして 今日の主役の一人

三番目に生まれたサンは

朝からソワソワしていた

 

女中達が忙しそうに

料理を作ったり

仕事をしたりしている

そんな様子を朝から

ウキウキして眺め

あちこちから届いた

ソンムル品を見ては

ワクワクして口元を緩めていた

いよいよ自分たちの

お祝いの番だと

実感が湧いて来たのだ

 

 

サン

ゴンと一緒に

そっちで遊んでいて

まだこっちに来たらダメだよ

今 飾りつけしているからね

 

 

にぃにも朝から忙しい

奥の間をせっせと

飾り付けの最中なのだ

 

 

うん

わかった

サン てつだわなくて

いいの?

にぃに一人じゃたいへ〜ん

でしょう??

 

 

いいんだよ

だって今日はサン達の

お祝いなんだから

それにイサも

手伝ってくれているから

ケンチャナヨ

 

 

奥の間から顔を出し

タンはサンに言った

イサは早朝

三つ子達にお祝いの品と

言葉を渡しに来て

すぐに帰るつもりが

結局 

部屋の飾りつけやら

料理運びやら

手の足りないところを

手伝っている

これも例年のことだった

 

 

ヒョンが王宮から

戻るまで

オレが代わりに戦力になるよ

にぃに なんでも言ってくれ

 

 

あのね ぼく

イサのにぃにじゃないからね

その言い方 やめてよね

 

 

なんだかからかわれている

気がしてタンはふいっと

横を向いてぶつくさ言った

 

 

オレはこの言い方

しっくり来るけどな

にぃにはにぃにだろ?

 

 

ちっが〜う

断じてイサの兄じゃ

ないもん!

 

 

そんなくだらない会話の

応戦をしながら

二人はパーティ会場の

準備を進めていた

 

 

たのしみだなぁ

ぱーちい

ね 

ゴンもそうおもうよね

 

 

遠くに聞こえるにぃにと

イサの小競り合いを

聞きながら

サンは心を弾ませていた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

年末年始

今年が終わってしまう

来年はもっと

いい年だといいな

 

 

絵馬お年玉門松絵馬鏡餅お年玉おせち

 

 

明日は大晦日

三つ子の誕生日です

またおつきあいくださいませ

 

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