両親が昼寝と称して

閨にこもった後

昼の診察を終えたイサが

休憩に奥の間にやって来た

 

 

これが噂のトッキか

まだ小さくて貧弱だな

 

 

首の皮をつかんで

ひょいと持ち上げ

まじまじ見回し

イサはニマッと笑って

からかい口調で

ユニョンに言った

 

 

子兎

これから

丸々太らせて食ったら

うまそうだ

 

 

なっなっなんてこと!

トゥンをかえして!

トゥン

食べたりしないもん

イサのばか!!!!

 

 

ユニョンは

顔を真っ赤にして

怒り出し

イサからトゥンを

取り返そうと躍起になった

兄のタンは渋い顔を

見せながらイサに言う

 

 

あぁああ〜

どおしてイサは

そんな意地悪な言い方

ユニョンにするの?

食べる気なんてないくせに

まさかユニョンがトゥンに

夢中だからって

悋気してるの?!

オトナなのに〜

ユニョン ケンチャナヨ

にぃにがついているからね

絶対 トゥンを守るから

心配ないよ

 

 

うん・・・にぃに・・・

ありがとう 

ひどいよ!

・・・イサの・・・ばか!

 

 

ユニョンは思わず

ポロポロ泣き出した

大事なトゥンのことを

大好きなイサが

からかったことが

我慢できなかったのだろう

 

 

ユニョン なかないで

サンもまもるよ

トゥンのこと 

こんなにかわいいのに

だれがたべるのさ!!!

イサのばか!!

 

 

あぁあ 

イサひいきの

ユニョンとサンを

おこらせちゃって〜

どうするの??

 

 

サンは憤慨し

スニョンは呆れ顔で

イサに言い返す

子供達に反撃されて

タジタジのイサは

頭を掻きながら

そんなつもりじゃ

なかったのに・・・と

しどろもどろ・・・

タンが言う通り

子兎に夢中のユニョンに

少しばかり寂しさを

感じたのも事実だ

 

 

すまなかった

言っていい冗談じゃ

なかったよな

本当にすまない 

ユニョン姫

姫の大事なものを

傷つけるつもりは

なかったんだ・・・

 

 

まん丸の黒い瞳を持つ

トゥンが不思議そうな顔で

しゅんとうなだれた

イサを見ている

 

 

オトナなのになぁ〜

あぁあ〜

ユニョンを

泣かせちゃってさぁ〜

イサにはもう

ユニョンを

まかせられないなぁ

 

 

タンが含みをもたせた

言い方で

追い討ちをかけるように

畳み掛ける

 

 

もう いいよ

にぃに・・・

イサがトゥンを

たべないってことくらい

わかっているから

 

 

いつもは大人ぶって

決して涙を見せない

ユニョンを傷つけた

その事実が

イサに重くのしかかる

守るべき相手を泣かせて

どうするのだ!

イサは深くため息をついた

 

 

本当に泣かせるつもりは

なかったんだ・・・

すまない・・・

もしよかったら

傷の手当て

オレにもやらせてくれ

しっかり治るまで

責任持ってオレが診るから

 

 

イサはユニョンの顔を

覗き込みながら言った

 

 

ほんと?

トゥン

ちゃんとはしれるように

なるかな?

 

 

ああ

約束する

ちゃんと走れるように

治したい

いや 治すよ!

 

 

よかったね

ユニョン

イサが約束してくれて

 

 

タンはユニョンの

頭を撫でながら微笑んだ

 

 

うん にぃに

トゥン

元気になるといいなぁ

 

 

きっとなるよ

サン わかるもん

ね?トゥン

げんきになるよね〜

 

 

サンが頭をつついたら

トゥンはふいっと

迷惑そうに横を向き

その姿に

サンは「なんだよ〜」と

文句を言い 

他の子供達はサンの様子に

キャキャっと笑った

イサは子供達の笑い声に

ようやく安堵したようで

トゥンの足の状態を

丁寧に診ている

 

 

どうやら

丸く収まったみたいね

 

 

閨で聞き耳を立てていた

ウンスはホッと

胸を撫で下ろし

隣に寝そべる夫に囁いた

 

 

どうであろう?

これでユニョンも

イサ贔屓をやめるのでは

ないか?

だいたいユニョンは

イサに甘すぎたのだ

少し嫌うくらいで

ちょうど良いぞ

 

 

あらまあ?

なんだか嬉しそうな

言い方ねぇ

うふふ

でもどうかしら?

ユニョンが

イサ贔屓をやめるとは

思えないけど?

あの子 イサのこと

相当信頼しているわよ

 

 

あ?

ユニョンを傷つけるような

ことを平気で言うような

無神経な奴だぞ

タンの言い草ではないが

イサになど

大事な娘を任せられぬ

 

 

まあ ヨンったら・・・

イサは本気でユニョンを

傷つけるようなこと

しないわよ

どちらかと言うと

何かあれば盾になって

絶対全力でユニョンを

守ってくれるはず

 

 

いいや イムジャ

それは親の役目

俺の役目だぞ

ユニョンもスニョンも

俺が盾にでも

何にでもなる

誰にも傷つけさせぬ

 

 

うふふ 

ヨンの娘贔屓も

大したものだこと

娘相手に私

ちょっと嫉妬しちゃうかも

 

 

ウンスが笑うと

チェヨンは真顔で答えた

 

 

もちろん

イムジャのことも

俺が必ず守り抜く

どんな時も

どんなことからも

 

 

うん そうだった・・・

「俺のずっとは一生です」

って 約束してくれたもの

この国に

初めて来た時から

そうやって・・・

もう十年以上も・・・

ヨンは約束した通り

私を守ってくれている

だから私は安心して

此処にいられるのよ

ヨンの隣に居られるの

でもね

私もヨンの盾になりたいの

ヨンの一番の味方でいたい

何があっても 

どんな時もよ・・・

 

 

チェヨンは言葉の代わりに

最愛の妻を抱き寄せると

唇を重ねた

 

 

あっ

これ以上はまだダメよ

みんな起きているもの

 

 

わかっておる

ああ 夜が遠くて

嫌になるな

 

 

まあ 

ヨンったら

うふふ

 

 

ウンスはチェヨンの

腕の中に飛び込んだ

夫の匂いに包まれると

安心して幸せで

肩の力が抜けていく

 

 

今年はまだ始まった

ばかりだけど・・・

いい年になるといいわね

ゴンはこれからもっと

おしゃべりが盛んに

なるでしょうし

三つ子たちはソダン通いが

本格化して世界がどんどん

広がるでしょうね

タンは今以上に

勉強に熱が入るのかな?

でもあの子のことだから

遊びも夢中でやりそうね

 

 

それで良い

遊びを通して学ぶことも

たくさんあるからな

それと・・・

イムジャ

そなたも仕事に子育てにと

あまり頑張り過ぎるなよ

俺は何年経っても

心配で目が離せぬ

 

 

は〜い

でもぉ 忙しくって

パンクしそうな時は

ヨンが

癒してくれるでしょう?

 

 

ぱ?ん?く??

相変わらず

天界の言葉は

よくわからぬなぁ

 

 

チェヨンは

くくっと笑って

妻をぎゅっと抱きしめた

 

 

年の瀬

三つ子たちは六歳になり

新年には

新しい家族のトゥンも

迎え入れた

 

子供達は今年も泣いたり

笑ったりしながら成長し

毎日たくましく生きていく

ことだろう

 

高麗一の仲睦まじい夫婦

互いの想いは募るばかり

だが

それに奢ることなく

寄り添って

つつがなく暮らせたらいい

 

チェヨンは

いっそう腕に力を込めて

隣にいる妻の

その体を抱きしめた

 

 

今年もよろしく頼むぞ

イムジャ

 

 

こちらこそ〜

 

 

二人は顔を見合わせ

微笑んだ

二人で一緒に

過ごす時間も

家族で過ごす時間も

すべて 愛しい時間

 

大好きな人とともに

一日一日

幸せを

積み重ねていこう

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

今年もこの世界が

安泰でありますように

 

 

 

くま猫うさぎねずみトラネザーランド・ドワーフ馬犬

 

 

 

年末年始のチェ家の風景を

ゆっくりと

綴ってまいりました

お読みいただき

ありがとうございました

 

 

年明け早々に起こった

大きな地震

その後の飛行機事故

そして

我がわんこの急な旅立ち

 

心の休まる暇がなかった

一月が

終わろうとしています

 

そんな

苦しみや悲しみ寂しさの中

感じたのは人の優しい想い

気遣ってくださる暖かな心

思いやりでした

 

わんこのいない暮らしに

慣れるまでには

まだまだ時間が必要ですが

それはそれだけ 愛犬への

愛情が深かったということ

そんな子に出会えたことは

幸せだったと思っております

 

思い出だけでは

生きてはいけないけれど

思い出も大事

一つ一つの思い出が

辛くもあり癒しにもなる

そんな気分です

 

たくさんの皆様より

励ましやお優しい

コメントやメッセージを

いただいております

ぼちぼちと折を見て

お返事しておりますが

まだ全部には

お返しできておらず

失礼しております

お気持ち

ありがとうございました

 

 

 

 

 

本編はもう少々

春めいてきたら

再スタートの予定です

 

年を越してしまった

「ひみ恋」の続きも

気になるところですが

やんちゃなチェヨンを

書き綴るには

haru自身 

まだパワー不足なので

もう少しお待ちいただき

 

しばらくは

短編等書けそうなものを

ゆるゆるぼちぼち

綴っていこうと

思っております

 

その節は どうぞ

おつきあいくださいね〜

 

 

 

コロナも周りに増えて

参りました

どうぞ

体調に気をつけて

暖かくして

安寧にお過ごし下さいませ

 

 

202ヨン年が

幸せな一年になりますように

 

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