へええ

天界の夢?

それをヒョンに

言い当てられたの?

すごいな ヒョンは

ユ先生のことはなんでも

お見通しってわけか

 

 

チェヨンが王宮へ出仕した後

診察の準備をしながら

他愛ない話をしている流れで

なんとなく昨夜の話になって

ウンスはイサに

夢の話をして聞かせていた

 

 

天界かぁ

話を聞いても

想像もつかないけど

ヒョンは実際そこに

行ったんだもんなぁ〜

なんだか 羨ましい

 

 

ああ 

そう言えばそうよね

私以外に天界を

知っている人がいるってこと

すっかり忘れるとこだったわ

だってもう十年も前のことよ

私が知っているあの頃と

今では天界も相当

変わってしまったと思うし

それに医療も進歩したと思う

私の医療技術や知識は

十年前で止まっているのよ

 

 

いやいやいや

それだって

この時代に比べたら

かなりのもんでしょう?

ユ先生がいなければ

縫合なんて誰ができる?

そんな発想すらなかった

 

 

そお・・・かな?

 

 

ほんと ユ先生はすごい

オレ ここで生きていくって

あれだけ覚悟を決めても

随分揺れたもんなぁ

ここにいていいのかなぁって

まあ 俺の場合

特殊な背景だけどね・・・

 

 

過去 

この国の敵ともいう

倭寇の大将だったイサは

複雑な表情で答えた

 

 

え?まさか

まだ悩んでいるの?

イサはイサよ

あなたは立派な私の弟子

それ以外の何者でもないわ

 

 

ありがとう

ユ先生

オレに生きる夢を

与えてくれて・・・

 

 

そんな

大げさよ

それに掴んだのは

イサ自身でしょう?

 

 

そうだけど・・・

 

 

イサは遠慮しないで

いいのよ

本当はうちの子にしたい

くらいだったけど・・・

チェ先生に美味しいとこ

持って行かれたわね

うふふ

 

 

ウンスは笑った

そしてふと

もしかしてそれも

運命だったのかもしれない

と思った・・・

もしも本当に

このままユニョンの意志が

変わらずに

ユニョンがイサの元に

嫁ぐような日が来たら・・・

いくら

血の繋がりがないとは言え

兄と妹の婚礼では

体面が悪いだろうから・・・

 

 

オレは父上の息子になれて

よかったと思う

感謝してもしきれない

 

 

そおね・・・

私も彼には本当に

色々

支えてもらって来たのよ

感謝しているの

 

 

その言葉だけで

十分だよ

父上嬉しいと思うから

 

 

イサは微笑んで

ウンスに言った

 

 

イサ〜〜〜

アンニョン

 

 

そこへ可愛い娘が

トッキ(兎)を抱いて

飛び込んで来た

 

 

お?ユニョン姫?

トゥンの足

もうすっかりいいだろ?

 

 

うん

ぴょんぴょんじょうずに

なったんだぁ〜

 

 

そっかぁ

よかったな

 

 

イサはユニョンの

頭を撫でながら笑った

その様子をウンスは横で

微笑ましく見つめてから

はっと気づいたように

尋ねた

 

 

あら?ユニョン?

ソダン 遅刻じゃない?

タンはもうとっくに

行ったでしょう?

 

 

タンは早朝の勉強も始まって

三つ子よりも早くに

ソダンに向かう

今朝もポムの息子ミョンが

迎えに来て一緒に行った

 

 

あのね

サンとスニョンが

ソダンより剣術のおケイコが

いいっていうの

それで

テマンがこまっているから

オンマをよびに来たの

 

 

まあ!

テマンはヨンを追って

王宮へ向かったと思ったのに

まだ

奥で足止めされているの?

 

 

テマンは妻のジュヒと

道場を運営しながら

昔のように

チェヨンの唯一の私兵として

屋敷に仕えている

このところは

三つ子たちをソダンに

送り届けてから

チェヨンの元へ向かうのが

テマンの日課なのだが・・・

 

 

サンとスニョンは

机に向かうより

剣を振り回している方が

好きなのよね

いいのか 悪いのか?

困ったもんだわ

 

 

いいんじゃないの?

それでこそ

ヒョンの子供たちだよ

 

 

そりゃあ スニョンは

それでも勉強も好きだから

いいんだけど・・・

サンは放っておいたら

読み書きも怪しい気がする

とりあえず奥で

子供たちを見てくるわ

ユニョンも行きましょう

トゥンは小屋へ置いていくのよ

ソダンに連れて行けないわ

 

 

ウンスは娘の手を取り

奥へ向かった

手がかからなくなった

とは言え

成長途中の子供たちには

まだまだ母親の存在は

必要なようで

ウンスはサンとスニョンが

テマンを困らせている様子を

想像しながらクスッと笑った

 

 

その頃チェヨンは

腰のだるさを庇いつつ

平静を装いながら

ウダルチ兵舎での

鍛錬に立ち会っていた

 

 

昨夜は激情のまま

勢いに任せてしまったが

あの程度のことで・・・

腰を痛めるとは

俺も年だな・・・

 

 

チェヨンは独り言ちた

妻の導きのおかげで

たいそう幸せないい夜を

過ごした彼は

満足げにふぅと息を吐いて

丹田に意識を集中させた

だいたいの痛みは

気を集中させることで

治すことができるはずだ

 

 

上護軍

何か考え事ですか?

 

 

気難しい顔をしていると

トクマンが声をかけた来た

 

 

あ?いや

鍛錬のため

気を集中させていたのだが

どうかしたのか?

 

 

へえええ

さすが 上護軍

俺はまた医仙様のことでも

考えているのかと

思ってました

 

 

実際 

当たらずとも遠からず・・・

ではあるが

それを

認めるわけにはいかない

チェヨンはトクマンを

一喝

 

 

戦場は命がけだぞ

そのようなたるんだことで

どうするのだ?

お前と一緒にするな!

前に出ろ

 

 

えええええ

新人でもあるまいに

俺も指導されちゃうの?

参ったなぁ

 

 

トクマンは苦い顔を見せた

が 周りの者たちは

二人の手合わせに興味津々

 

崇拝の対象である

あの上護軍の剣さばきが

間近で見られるのかと

兵舎の広場は

自ずと沸き立っていた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

たまには昔のことを

思い返してみる

あの頃とは違った角度で

違った何かを感じるかも

 

 

黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花

 

 

またおつきあいくださいませ

寒の戻りに気をつけて

安寧にお過ごしくださいね

 

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