結局その朝
スニョンとサンは
庭でテマンに朝稽古を
つけてもらい
ユニョンはイサに
送ってもらって
一足先にソダンへ行く
ことで落ち着いた
 
 
悪いわねぇ イサ
私が送って行けば
いいんだけど〜
 
 
いいよ
姫とユ先生に
もしものことでもあったら
オレがヒョンに怒られるし
それに今日は実習が
入っているんでしょう?
朝からユ先生がいないと
学生さんたち困るしね

 

 

イサと手を繋いで

ソダンに向かうユニョンは

いつも以上に喜び

楽しそうに見えて

ウンスはイサの好意に

甘えることにした

 

そろそろ三期生たちが

ぞろぞろ顔を揃える時刻だ

養成所開設四年目を迎え

医療現場を見せることが

彼女たちにとっては

何よりの刺激だと

ウンスもよくよく

わかっている

 

 

じゃあ よろしくイサ

ユニョン

怪我しないようにね

 

 

は〜い

オンマもお仕事

がんばって〜〜〜

 

 

二人が出て行くのと

入れ違いに学生たちを

迎え入れ

ウンスの一日が

バタバタと始まった

 

 

 

 

 

ユニョン姫は

今 どんなことを

学んでいるんだ?

 

 

カン・ユハのソダンの

門が見えた時

イサはふと気になって

ユニョンに尋ねた

 

 

ええっと〜

字のれんしゅうとか

おえかきとか〜

書をよんだり〜

工作したり〜

 

 

へええ

書物は漢字だろ?

読めるのか?

 

 

もちろん!

たまにムズカシイけど

ユニョン よめるよ〜

あのね にぃにはね

どんな書もスラスラなの

すごいんだよ〜

ソダンでいっちば〜ん

かしこいの

 

 

鼻高々に兄自慢する

ユニョンの頭を撫でて

イサは笑って答えた

 

 

ああ そうだろうなぁ

にぃには昔っから

しっかりしていたし

頭が良かった

 

 

うん

それに剣もすごいの

つよいんだよ〜

ユニョンのこと

守ってくれたんだよ

すごくいじわるな子が

いるの

あっ あの子・・・だよ

 

 

ユニョンはヒソヒソ

イサに言った

その目の先には

どう見ても

どこぞの名家のご子息

立派な身なりの男の子がいて

じっと ユニョンを

見つめている

 

 

意地悪というより・・・

あの目つきは姫を

気に入っているっていう

目つきだな・・・

王子様とか高官の息子とか

姫はそういう類に

好かれるのか?

 

 

イサはなぜかしら

胸がざわつき

面白くない気持ちで

ブツブツと言った

 

 

姫はあの子のこと

嫌いなのか?

 

 

キライっていうか・・・

ユニョンがきらわれて

いるんだとおもうの

だってすぐ

ユニョンのものを取ったり

からかったりするんだもん

でもね

にぃにがバシッと

いってくれたの

ユニョンをいじめたら

ぼくがユルサナイって

それからは

すこしマシになったんだ

 

 

すこしは

大人の余裕を見せねばと

イサは

男の子の気持ちを代弁

 

 

きっとあの男の子

姫と仲良くしたいんだよ

でも仕方がわからなくて

意地悪しちゃうんだと

思うなぁ

男は好きな女の子に

意地悪したくなるもんだ

 

 

じゃあ 

イサがイジワルでも

ゆるしてあげるね

だってイサも

ユニョンを好きって

ことでしょう?

 

 

不意打ちを食らった気がして

イサは慌てて言った

 

 

へ?オレが?

姫にいつ意地悪した?

おいおい 濡れ衣だぞ

 

 

うっふふ〜

そういうことにしておく〜

イサ

おくってくれて

ありがと〜〜〜ね〜〜〜

またあとでね

 

 

ユニョンは

イサの手を離すと

駆け出して

同じ年頃の子供たちの

輪の中に入っていった

 

 

相変わらず

チェ家の子供たちと

仲がいいな

イサ

 

 

振り向くとそこに

カン・ユハがいた

 

 

おはよう

今朝は寒いな

 

 

そうだね

ところで

テマン様とサン君と

スニョンちゃんは?

 

 

ああ 

話せば長くなるけど・・・

あとで来るってさ

とりあえず先にオレが

姫を送り届けに来たってわけ

それにしても ここも

随分手狭になったな

まあ 今は 

リラさんがいるから

教える方はなんとか

なっているか? 

 

 

昨今 評判が人を呼び

ソダンの生徒は増える一方

校舎も庭も生徒が溢れ

ユハ一人では 

さすがに回しきれなく

なって来ていたところ

養成所を卒業した

一期生のリラが

女医の道に進まずに

ソダンの先生を

志願してくれたおかげで

どうにかこうにか

やりくりができている

 

 

だけど医仙様に申し訳ないよ

せっかく育てた医学生を

引き抜いたようなことに

なってしまって・・・

 

 

え?そうかな?

ユ先生はむしろ

喜んでいたよ

リラさんの夢が見つかって

よかったって・・・

それに医者の道を

まるきりやめたって

わけじゃないだろ?

校医としても

子供らのために立派に

働いているじゃないか

 

 

そうだな・・・

でも優秀な彼女なら

典医寺でも十分

やって行けたと思うのに

もったいないかと

思ってな・・・

 

 

え?

それをユハが言うか?

王宮の博士の道を

あっさりやめた君の

言葉とは思えないな・・・

子供達に教えているんだろ?

職業に貴賎はない

どんな夢も尊いって・・・

ユハの描いた夢は

このソダンにはないのか?

 

 

ああ まったく

イサには敵わないな

これだから

あのチェヨンも

君には一目置くんだろうね

 

 

ユハは頭をかいて

苦笑した

 

 

さてと・・・

オレはそろそろ診療所に

戻るよ

患者さんを

待たせているからさ

 

 

ああ そうだな

またな イサ

医仙様によろしく

 

 

ああ ユハも頑張れよ

 

 

イサは友達の間で

笑っているユニョンの

姿を目で追って

その楽しそうな様子に

安堵してから

ソダンの門を出た

 

イサの背後では

声を合わせて書を読む

子供達の声が

澄んだ冬の空気の中

高らかに響いていた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

子供の頃に描いた夢を

覚えていますか?

それは今 

叶っていますか?

 

 

黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花

 

 

今日は風の強い一日

天気が相当荒れたところも

多かったようです

 

どうぞ安寧に

お過ごしくださいませ

 

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