夢?
でございまするか?
 
 
ポカンと口を開けて
ポムはウンスを見つめた
 
 
う〜〜〜ん
なんでございましょう?
 
 
夕暮れ時 ソダンを終え
チェ家で過ごしたミョンの
お迎えを兼ねて
屋敷を訪れるのが
このところのポムの日課に
なっている
 

以前は朝からずっと

屋敷に入り浸って

チェ家の子供たちの

面倒を見ていたのだが

この春から本格的に

三つ子はソダンに通い始め

日中は留守だ

そんな屋敷に

クァンとミユの幼な子

二人を連れてくるのは

逆にウンスに迷惑をかけると

ポムは自粛している

 

それでも少しでも

ウンスとおしゃべりがしたくて

診療所の仕事の

終わりを見計らい

こうして訪ねてくるわけだが

今日はウンスに唐突に

「ポムの夢って何?」

と聞かれ 答えに窮していた

 

目の前では

チェ家の末っ子のゴンと

娘のミユが追いかけっこを

して遊んでいる

ミユは今月二歳の誕生を迎え

ゴンよりも半年ほどお姉さんだ

 

 

ゴンちゃまも

すっかりお子ちゃまらしく

なったでするねぇ〜〜〜

ミユと仲良くしてくれて

嬉しいでする〜

 

 

ポムは心底嬉しそうに

微笑んで

そしてはっとした顔で

手を打った

 

 

あっ!

夢!!!

ポムの夢 あったでする!

ミユがこの家に嫁ぐこと

それでする!

 

 

え?ミユの嫁入り?

ミユの気持ちが

わからないのに

そんなの親が勝手に

決められないじゃない

しかもこの家って〜

うふふ

ポムはブレないわねぇ

 

 

ぶれ?でするか?

天界のお言葉は

よくわかりませぬが

ミユがゴンちゃまの

お嫁さんにしていただけたら

最高に嬉しく存じまする〜

 

 

ゴン?

タンじゃなくて?

 

 

以前はずっと

「若様のお相手を生むのだ」

と張り切っていたのに・・・

ウンスは首をかしげた

 

 

だってぇ

若様を狙っている

最強のお方がおりまする

ほら〜オンニ

公主様でございまするよ

ずっと若様一筋では

ございませぬか〜

もしも王命でも出されたら

ミユは敵いませぬ〜

 

 

いやいや

王命はないでしょう?

まさか王様もそこまで

するとは思えないけどな?

 

 

どうでしょう?

親ならば子を思って

それくらいのことをしても

おかしくないでする

何せ相手は王家

この国で敵うものは

誰もおりませぬ〜

それに実際

公主様のお相手に

若様ほどふさわしお方は

おりませぬよ?

家柄よし 器量好し

性格よし 何もかも

他の男の子より抜きん出て

素敵な若様でする〜

 

 

褒めていただいて

嬉しいけど〜

あの子達

まだほんの子供よ?

生涯の伴侶を決めるには

経験も考えも足りなすぎる

大人になったら

考えだって好みだって

変わるかもしれないもの

 

 

そうでしょうか?

 

 

ポムだって

うちの人と一緒にならず

チュンソクさんと結婚して

幸せでしょう?

 

 

それは はい

そうでございまする

ですが・・・

幼いうちから

外堀を埋められるのは

名家の両班の

宿命でございまする

ウンスオンニ

若様のお相手をまだ

決めぬというならば

周りの圧を

ゆめゆめ気をつけなさって

くださいでする〜

 

 

ポムは心配そうに言った

 

 

確かに・・・

この時代の寿命を考えると

生き急ぐのもわかるわ

十を過ぎた頃には

家督を継ぐこともある

かもしれないし・・・

許嫁を決めて

代々家を守っていかなくちゃ

いけないのかも・・・

でも現代人の私からすれば

納得いかないのよね

子供の運命を

親が決めちゃって

いいのかな?とも思うし・・・

 

 

天界では

違うのでするか?

 

 

そうね

政略結婚もあるには

あるけど・・・

そんなの一部の財閥のような

大金持ちか政治家の話よ・・・

普通の人は恋をしたり

お見合いしたりして

あっ 占いってもあるか?

とにかく自分で

運命の相手を探すわね

 

 

へえええ

天界はやっぱりすごいところ

でするね〜

じゃあ ミユには

ゴンちゃまに

選んでもらえるよう

日頃から精進するように

吹き込んでおくでする〜

 

 

まああ ポムったら〜

 

 

ウンスは懲りないポムに

くすくす笑った

 

 

ですがオンニ

笑い事では済まされない

でするよ

大妃様です 大妃様!

あのお方は公主様贔屓

何としても若様を

手に入れようとするに

違いありませぬ〜

 

 

悪い方ではないのだけれど

以前から

そこだけは譲らないのよね〜

困ったもんだわ

 

 

くくくっ

オンニも困ることが

あるのでするね〜

ポムから見たらオンニは

この国で最強のお方でするよ?

でも そのお方の夢って

なんでするか?

逆にポムが聞きたいでする

 

 

え?私?

この国に来て大抵の夢は

叶ってしまったしなぁ〜

何かあるかしら?

大家族を作りたい

と思った夢も叶ったし・・・

診療所も作ったし・・・

女性のための養成所も・・・

あとは

子供達がすくすく幸せに

成長するのを

見守ることぐらいか?

 

 

ウンスは転んで

泣きそうな顔のゴンを抱き上げ

微笑みながらポムに答えた

 

 

オンニは もうお一人

お子を・・・とは

思いませぬか?

そうしたら

ますます大家族になる

でするよ〜

 

 

いやいやいや〜

それは無理ってもんよ

この時代なら

孫がいてもおかしくない

お年頃なのよ 私・・・

今から赤ん坊をもう一人は

さすがにきついわ

 

 

オンニはお若いでする

それに何と言っても

旦那様は子宝の神様

まだまだいけまする!

 

 

ポムはニヤリと笑って

ウンスの肩をポンと叩く

 

ちらちら舞う雪が

夕日に照らされ光っていた

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

先回りして

守ってあげたい親心

グッと我慢し見守るのも

また親心

 

 

黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花

 

 

週明けも

安寧にお過ごしくださいませ

またおつきあいくださいね

 

 

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