その日 ウンスは
王宮の典医寺にいた
もちろん四期生受け入れの
打ち合わせのためであった
 
 
ご心労が重なり
お疲れではございませんか?
 
 
チェ侍医は心配そうに
ウンスに尋ねる
その瞳はとても柔らかだ
 
 
もしかしてユニョンのこと?
気遣ってくれてありがとう
王妃様にも大妃様にも
養成所はお力添えいただいて
いるから
あまり波風は立てたくない
ってのが本音だけど・・・
ユニョンが傷つくような
ことにはしたくないわ
それよりチェ先生はどお?
もしかして?
親子ゲンカでもしたの?
出てくる時なんだかイサ
機嫌が悪かったのよ??

 

 

なんと!

大変申し訳ございませぬ

医仙様がお留守の間

診療所を

心して守らねばならぬ

というのに

事もあろうに

医仙様の前で不機嫌とは

 

 

慌てたチェ侍医に

今度はウンスが苦笑し

恐縮した

 

 

あれまあ?

そんなつもりじゃ・・・

きっとイサなりに

ユニョンのことを

気にかけて

くれているってことだと

思うんだけど・・・

 

 

それは

そうかもしれません

ユニョン様のことを

心配しているのは見て取れます

ただ 私からイサには何も
話をしていないので
それが気に入らなかったので
不機嫌さが顔に出たのかも
しれません
医者としてまだまだ修行不足
ですね・・・
 
 
手厳しいわね チェ先生
でも
イサ 驚いたでしょうね
ユニョンが
いきなり王子様の妃に
ご指名されちゃって〜
私は子供の将来は
自分の手でつかんで欲しいと
思っているんだけど・・・
うふふ ここだけの話よ
娘贔屓のうちの人にバレたら
怒り出すかもしれないから
 
 
はい?なんでしょう?
 
 
チェ侍医は首をかしげた
 
 
あのね
イサとユニョンが
将来恋仲になったら
それはそれで素敵だなぁって
実は密かに思っているのよ
もちろん年の差もあるし

イサにはもっと素敵な

女性が現れるかもしれないし

ユニョンが大人になるまで

まだまだ時間がかかるけど

でもあの二人

なんだかお似合いだと思わない?

 

 

私からは・・・

なんとも・・・

 

 

チェ侍医は少しばかり

困った顔でウンスを見つめた

非常に喜ばしいウンスの願い

だが上護軍の気持ちを慮ると

果たしてそれを願っても

いいものかどうか・・・?

 

 

まあ その話は置いといて

今は四期生の受け入れ準備の

話だったわ

 

 

はい

 

 

今年も志の高い女人たちが

夢をいだいて

集まってくれたわね

 

 

医仙様の医術に対する

真摯なお気持ちが

都に広まったおかげでしょう

 

 

そお?チェ先生に

そんな風に言われたら

なんだか照れるわねぇ

そうそう!サノ(珊瑚)

サノ合格したわね!

よかったじゃない!

チェ先生も嬉しいでしょう?

 

 

昨年不合格だったサノは

チェ侍医の義妹だと偽った

過ちを許してもらって

もう一度今年受験した

そして見事に合格したのだ

 

 

他の受験生と

平等に接するため

まだサノ本人とは話をして

いないのですが・・・

今はヨンファ様の所に

身を寄せているようで・・・

 

 

ええ 聞いているわ

ヨンファが後見人を

引き受けたって・・・

それで卒業後は

一期生のヒロのように

朔州の医院に勤めて欲しい

そうよ

サノの父親は大きな薬房の

主人でしょう?

野心家だって聞いているし

典医寺やチェ先生の名前を

都合よく使われないようにって

父親をけん制する意味も

あるようね?

でもその方が

サノのためにもいいと思う

雑音が聞こえないでしょうから

医学に邁進できるわ

 

 

はい

私もそう考えておりました

ヨンファ様のお心づかいには

感謝しております

 

 

あら

ヨンファはチェ先生には

結婚する前の借りがあるから

って言ってたけど?

どんな借り?かしら?

 

 

ウンスが

探るような目つきで

チェ侍医を見ると

チェ侍医は涼しげな笑みで

それをはぐらかした

 

 

そうそう・・・

医仙様

アン・ユ先生の親戚だという

アン・ズも合格しましたね

ウネ様 何かおっしゃって

ましたか?

 

 

ええ

この間 

ユニョンのことで心配して

わざわざ会いに来てくれた時に

その話を聞いたわ

受験票が

同じ苗字だったから

もしかして?

とは 思ったんだけど・・・

養成所は縁故採用はしないし

地位や身分での

贔屓もなしだから

試験前に受験生の素性を

調べないことに

しているでしょう?

だから確信は持てなかったの

でもやっぱりそうだった

ウネさんも自分のことのように

とても喜んでいたわ

 

 

アン・ズはウネの夫

アン・ジェの従兄弟の末の娘

つまりアン家の

分家筋の娘に当たる

アン家は代々武官の家柄だから

父親はいずれ娘を

どこぞの武官に嫁がせる

腹づもりだったようだが

アン・ズは女医を目指した

親の目論見はまんまと外れた

というわけだ

 

 

それに うちのオルも

よく頑張ってくれたわ

下働きしながら

ちゃんと勉強していたのね

 

 

ウンスは菊花診療所で

下働きをしていたオルが

養成所を目指していたことを

黙認していたが

立場上

手助けはできなかった

それで

イサが何かと面倒をみて

教えてやっていたようだが

ミジュに続いて

今年も診療所から合格者が

出たというわけだ

 

今年も合格者の名簿は

王宮の城門前に張り出され

今年から合格者には

通知も届くようになっているが

完成した合格者名簿を見ながら

ウンスは感慨深げだ

 

 

合格通知の準備は

サラが手配してくれたのよね?

学生たちの手元に

明日には届くかしら?

 

 

はい 抜かりなく

 

 

後から合流した

校長のサラが

ウンスの確認に答える

 

 

今年はホ先生のお嬢様

ホ・トマ嬢が合格されました

それに武閣氏からの転身組

イ・ジウ

それに

実家が花屋のサクラと

商家の娘ユチェ

アン先生の親戚のアン・ズと

菊花診療所のオルちゃん

それからサノさんと

合計七名に

合格通知が届きます

新しい女人たちが

この養成所の門を叩くと思うと

なんだか胸が熱くなりますね?

医仙様・・・

 

 

入学生を受け入れるのは

今春で四度目となるが

毎回背筋が伸びる気がすると

サラは笑った

 

 

ええ 本当にそうかも

私もみんなに会うのが

とても楽しみよ

 

 

ウンスは

チェ侍医と医官サラに

嬉しそうに微笑んだ

名残の雪が溶けて黒ずんで

桜の蕾がゆっくりと

膨らんでいる

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

桜咲く

これからの人生の第一歩

 

 

桜桜桜桜桜桜桜桜

 

 

四期生の皆様のご登場です

入学式はもう少し先ですが

これから学生たちの

人となりのご紹介を

ゆるゆるお話しに

差し挟んでいけたらと

思っております

よろしくお願いいたします

 

 

アン・ズ(きくちゃん様)

サクラ(hiro様)

ホ・トマ(hotkumama様)

ユチェ(菜の花様)

オル(kaoruko96様)

イ・ジウ(マコ様)

そして サノ

(順不同)

 

 

 

急な暑さや黄砂にも

お気をつけください

またおつきあいくださいませ

 

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27日に各音楽サイトで

音源が発売になりました

一年ぶりの日本語の新曲

この時期にぴったりダウン