出血の妊婦さんが来ました


母子手帳は持ってきていないし

予定日も最終月経日も忘れてしまったというので


子宮の大きさから24週くらいだろうということになりました

お腹も痛いし、少量ではない出血で、前置胎盤じゃないかという予測



とりあえず、検診室に寝かせて、のんびりおしゃべりしながら貧血チェック、点滴ルート確保、問診


日本だったら、緊張感いっぱいで、スタッフが走り回るような場面なのに

早く病院に搬送しようよーと私はずっとハラハラ


処置が終わってようやく、病院への搬送添書書き


他のスタッフはサツマイモやバナナを食べながら

それは書かなくていい、その書き方はおかしい、書き直し、と言葉だけ

日本だったら、処置中に誰かが同時進行して、完了していて当たり前の仕事なのに


そんなのいいから早く送ろうよ、と言っても

「sabar, Hiyori」(まあまあ、的な感じ)と言われて、バナナを与えられた


ようやく添書も完成して、いざプスケル(救急車のようなもの)に乗せようとなった時

妊婦さんの意識がなくなりました


大騒ぎになったので、いきなり大量出血が起こってショックになったかと本当に焦ったけど

それほどの出血量ではなく

血圧も保持できていて

どうやら起き上がろうとしたときに起こった起立性低血圧だったよう


騒ぎに駆け付けた副センター長は「ショックを起こしたんだ」と言っていたけど

ココロの中で、違うよ、と言いながら

プスケルを見送りました


搬送に同行した助産師は「普通だったよ」と言って戻ってきました

けっこうすぐに戻ってきたので、エコーの結果とかは見てないんだろうな

結局前置胎盤による警告出血だったのか、本当のところはわからないけど、母児ともに無事だったということで良かった


この妊婦さん前日から出血してたのに、保健センターに来たのが今日のお昼過ぎ

まだまだ知識の普及が足りないなと感じた1件でした


しかも、緊急時に直接病院に行ければいいのに

ここでは、保健センターからの紹介状を持っていかないと、お金がかかってしまうシステムなので

みんな保健センターに来ちゃうんですね


最近落ち着いていたので、久しぶりにドキドキした出来事でした