■なぜ、人は「予言」に振り回されるのか | 石田久二公式ブログ

石田久二公式ブログ

旧サイトです

こんにちは、石田久二です。


一つ前のエントリーの続きですが、久々にこの手の話題に食いついてしまいました(笑)


3.11の震災後、この手の予言ブログ・メール・ツイートが乱立しているのですが、あわよくば「教祖」にでもなりたいのでしょうか。確かにそんな事例もあるにはあります。なんとか言うオバサンだったと思いますが、マスコミからも取り上げられ本もベストセラー。


これからもしばらくは「二匹目のドジョウ」を狙って、この手の話は続くことでしょう。そう言えば7月末もありましたね。こちらは軽くスルーしてたのですが、7月23日~25日に3.11の「6倍」の地震が来るって話。言いだしっぺは「UFO研究家」のリチャード・ボイラン博士。


言うまでもなく予言は外れましたが、直前の声明で「エネルギーがシフトしたようだ」と発表し、いつものパターンでした。この博士の場合は最初からネタっぽかったし、それほど拡散してなかったのでスルーしてましたが、今回の「コテ造&ママゴン」については、朝からタイムライン上で目に付いてしまったので、読んでビックリ。


内容自体は目新しいものはなかったのですが、やはりこの手の話には過剰の反応してしまう人が相変わらずいるものだとビックリしたのです。それどころか「教えてくださって、ありがとうございます」みたいなコメントも多く、頭が痛くなりました。。。


ただ、このような話に過剰反応してしまう気持ちもわからないではないです。なぜなら人間には本能的に「危険」を回避する機能がありますので、ネガティブな話題にはどうしても反応してしまうから。もしこの反応が鈍かったら生命にかかわるため、これだけのアクセスが集まるのも不自然なことはありません。


ちなみに本のタイトルなども「ネガティブワード」を挟む方が売れると言われます。「健康になる生き方」よりも「病気にならない生き方」の方が売れ行きは100倍違うでしょうし。まさに「ネガティブワード」は人間の本能に直結したコピーだと言えるわけです。


ですので当ブログに関しても、これでもかとばかりに危険回避本能を刺激する「映像」を文章で見せながら、人々の注意をひきます。そしてさらに、、、これは典型的な切り口ではあるのですが、「話者」を「自分以外」に置くことで、発言の説得力を高めます。


占い師、チャネラーなどがしばしば使う話法ですが、「私は・・・と思います」よりも、「〇〇が・・・と言っています」の方がやはり100倍説得力が高まるのです。日常的に考えても実感あると思います。「あなたキレイですね」と面と向かって褒めるよりも、「私の友達がキレイって言ってましたよ」の方がやはり100倍嬉しい。


「直接話法」よりも「間接話法」の方が説得力が高まるわけですが、スピ系の場合はこの間接的な話者に「目に見えない存在」を置くところがいつもの切り口です。その「目に見えない存在」の代表が天使、守護霊、ガイド、など。


当ブログのように「子ども」を置く手もよく見かけますし、その手法で人気ブログとなり本の出版までされているケースもあります(そのブログは今は更新されていませんが)。つまり自分らとなんら変わらんような、オジサン・オバサンが言うよりも、邪心のない「子ども」とか、時には「犬と会話してます」的な切り口の方が読み手を引きつけるわけです。


さらに付け加えるなら、ネット・SNSの時代になってインパクトのある情報は拡散しやすくなっています。アクセスを稼ぎ、ランキングが上がり、RTの数も増える。そのことによって元の「情報」の信ぴょう性は、その情報がいかに根拠のないものであっても、自然と高められてしまうのです。


つまりネット・SNSの時代においては、理性的な判断、リテラシーよりも、「アクセスの多さ」が信ぴょう性を決める大きな一員となっているわけです。その意味で言えば、当ブログについては、設立直後からRTで拡散し、にわかに大きな注目を浴びているわけですので、ただそれだけで(アクセスが多いだけで)、なんか知らないけど信じてしまいたくなる、、、のです。


おそらく似たような情報は毎日のように発信されており、たまたまSNS上でブレイクしたものが、月に一つ程度取り上げられ、多くの人たちを振り回すようになるのです。


それから付け加えますと、このような「情報」に「ありがとう」と言ってる人が少なくないようですが、もしも本気でそう思っているのならば、なぜに3.11の前に知らせてくれなかったのか、と思わないのでしょうか。


今回の当ブログの影響によって、極端な話、該当地では持ち家を売却して逃亡することを検討される人だっているかもしれません。だとすればもし、3.11の前に地震・津波が来ることを知っていれば、二重ローンなどで泣きっ面に蜂の事態に陥らなくて済んだのではないか。そう思います。


もしも3.11の前に何らかの情報を入手して、実際に持ち家を売却した人がいたのであれば、ぜひ知りたいものです。でもそんな人はおそらくいないでしょう。


確かに地質学的にある程度の「予測」はできたとしても、実際に災害が来るかどうかは「なってみないとわからない」のが現実。もちろんそうなった時のための防災策は大切です。だけど、悲しい現実かもしれませんが、最終的には「起ることが起る」としか言いようがないのです。


だからと言って不確かな情報によって、多くの人を惑わしていいわけではありません。もちろん何らかの形で得た「情報」を拡散する使命を感じたのであれば、それ以上は何も言えませんが、少なくとも「実名」で「責任」の所在を明確にした上で発信して欲しいものです。


それが本気で地球を愛する人の、最低限の約束なのですから。