明日は”立冬”冬のはじまり。
「今日ぞ、冬立つ日なりけるもしるく、うちしぐれて、空のけしきいとあわれなり」
源氏物語の「夕顔」の巻で、源氏の君が夕顔の君を忍ぶというシーンです。
突然、怪死してしまった夕顔の君のことを、悲しみのあまり源氏の君は、紅葉の季節からずっと思い続け、立冬の頃にようやく元気になってきたんだよというお話しらしいです。
夕顔の君という女性は、身分こそあまり高くはないけれど(と推測されているみたい)積極的でありながら、どこか儚げであり、聡明なイイ女。
この方は、”頭の中将(とうのちゅうじょう)”というお偉いさんの愛人をやってたのだけど、本妻に睨まれ、ひっそりと身を隠していたところに、伝説の色男、源氏の君とちょっと仲良しになって、そしたらたちまち物の怪にとりつかれ、あっけなく死んでしまうのでした。 (たしかそんな話し。)
このモノノケの正体というのが、”六条の御息所(ろくじょうのみやすどころ)”という、今で言えば皇太子妃にあたるとても位の高いお方なのですが、まー、この方の念というのがものすごくて、源氏の君と関わる女性を、生霊となって次々に呪い殺してゆくわけです。 怖いね。
そもそも、この六条の御息所に最初に積極的にアプローチしていたのは源氏の君だったのです。 7つも年上の女性なのよね。 でも、源氏の君ったら、ようやく落としたことろで興味がなくなっちゃったのか、急に態度が冷たくなっちゃったんだって。
そこから執拗嫉妬の念で、源氏の君が気に入る女性を次々に呪い殺してゆくという…。
しかし、源氏の君も、女性にちょっかい出しすぎやろ。
何事も、ほどほどがよろしいのです。
それにしても、生霊って…なんかすごいよね。 最近も、そんな話を小耳にはさみました。
男性は、生霊になりそうなタイプの女性には、うかつに手を出さないほうがよろしいかと思うのですよ。 こんな人にうっかり関わって、とばっちり受ける女性も大変よね。