山鳥毛断念 その真実を明らかに | 地方都市は死なず! 滝沢いっせい ブログ爽創通信  *09016693890*kpissey@rf6.so-net.ne.jp*

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上越市議会議員滝沢一成のブログです! 日々感じたこと、考えたことを、できるだけ素直に書いてゆきます。
滝沢一成のテーマは「雪」「老い」「貧困」、これらを追及します。

山鳥毛、断念。

 

12月1日から始まる12月定例会で、国宝「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)」の購入契約を締結できないことから、事業費を減額する補正予算およそ3億2千9百万円が提出されました。6日の文教経済常任委員会で審議されます。

これは、購入を断念したことを議会で承認するという意味があります。

 

市は山鳥毛の購入をあきらめる旨、教育長、市長それぞれが記者会見で明らかにしています。報道によれば、市長は「結果として齟齬を生じたが、市に落ち度はなかった」としています。

 

市にとって「想定外」(教育委員会9月議会での答弁より)の経過と結果になったわけですが、購入の最高責任者であった市長、また当初より交渉の陣頭指揮にあたった現教育長は、寄付金や募金などに尽力して来た市民、また期待していた市民に対し、なぜこういう結果になったのか、説明を尽くすべきでしょう。

市長も「議会を通して、もしくは地域に入って説明する必要がある」という認識を記者会見で示していますので、ぜひそのようにお願いしたいと思います。予算を議決した議会も説明責任があることは言うまでもありません。

 

かてて加えて、私が考えるこのたびの山鳥毛購入断念の問題点をあげます。

 

上越市はかねてより3億2千万円が上限であり、寄附金等が集まればそれだけ市からの出費を減らすと議会や市民に示してきたにもかかわらず、所有者は3億2千万円にプラスして寄付金などを上乗せするものと期待し、また市にそれを言ってきたらしいという点です。

交渉ごとの基本中の基本、「金額」を確定し合意するという手続きをなぜとらなかったのか、大きな疑問です。「行政だから、予算が通るまで仮契約できない」ことは理解するものの、具体的に示した3億2千万円への解釈が、真反対に食い違うなどということは通常は考えられません。

 

山鳥毛断念の問題点のふたつ目。

 

今年3月8日、まさにその契約金額3億2千万円で国宝太刀を取得する予算を文教経済常任委員会で審議する前日にあたる8日、所有者から契約金額変更を希望するメール(推定では「5億円にしてほしい」という希望)が入ったにも関わらず、翌9日10日の委員会はもとより、3月24日最終日も議会に黙って、予算を通したことも問題です。結局議会は今になって初めて知りました。これは議会軽視に当たらないでしょうか。

新聞報道によれば、市長がそのメールがあった報告を受けたのは、翌々日10日頃であったという話です。最高責任者への報告が二日後、それもまたおかしな話と言わざるを得ません。

 

さらに問題点をあげるならば…

 

市長は3月に、山鳥毛取得の意義(目的)として、このようにおっしゃっています。

「この太刀を取得し、市民の皆さんに広くごらんいただき、それぞれの思いを寄せていただくことで、謙信公が残された義の心が改めて認識されるとともに、ふるさとに対する私たち市民の愛着や誇りの象徴の一つとして末永く存在し、後世の市民や地域社会にもつなげていく意識の醸成が図られるものと考えてございます」

その基となる山鳥毛を断念したいま、それに替わって「ふるさとへの愛着や誇り」を醸成していくには、いまより何をすべきなのか、あるいはそもそもすべきなのか、市長は元より、市民もしっかり考えなくてはならないのではないかということです。

いまから目指す目標はなにか、しっかり考えましょうと、言い換えても良いかもしれません。

 

教育委員会は何を根拠に、取得運動に市民を巻き込み、2年越しにここまで来たのか。

わたしは、市長の言葉にもかかわらずですが、「本当に市に落ち度はなかったのか」今議会で明らかにするべきだと考えています。