グレースの履歴

という小説を

いま、NHKがドラマ化している


ホンダのS800が出ていて

もう、カッコよくて 

目を奪われる。



奥さんがこの素敵なクルマを置いて

南フランスで事故に遭い

亡くなってしまう。


クルマの履歴を見たら

一週間、日本国内を回ってから

フランスに旅立ったことがわかった。

履歴を辿る旅をする話。


グリーフだなあと

しみじみした。

三回目まではオンデマンドで観たので

続きはおいおい観ることにする。


先程、わたしは衝動買いをした。



ウェッジウッドのグレンミスト。

わたしはヒマラヤの青いケシが好きだった。

亡くなった彼が

このグレンミストが大好きで一式持っていて

私が驚いて顔を見た時

彼は、趣味が一緒だなと笑っていた。


先程のグレースの履歴を見て

しみじみして

なんの気なしに

ネットで中古を見て買ってしまったけど

わたしの中のグリーフが刺激されたのでしょう。


わたしは彼から思い出になるものは

何一つもらってはいない。

あえて、もらわなかった。

思い出があるから十分だからと

形になるものは手にしなかった。


しかし、テレビを観ながら

このカップを思い出したのだ。

私の中で、やっと

思い出に変えるものを持っても良いよと

自分に許しを与えて

受け入れたのだと思った。


思い出すと悲しいから

ものはいらないと感じていたんですね。。。


でも、いまはカップでお茶をいただきながら

彼を思い出す時間を必要としてる自分がいる。


縁とは不思議で。。。


今朝の雨や濃い霧が立ち込めていた時から

すでに、わたしの中のグリーフのスイッチは

おされていたのだと思う。

街中で、彼と同じコロンが鼻先を通り過ぎる時

はっ!っとしてしまうように。


記憶も不思議だ。。。


人はずっと、こうやって生きていくのでしょうね

時々思い出を反芻する時間を

黄昏どきに見出すものなのでしょう。

姿はない

でも

そばにいる、通じてると

感じながら、時を納めていく。


人はそんな生き物なんですね。






マリア