昨日の新宿JAZZバーでも、マスターから話題になった藤井聡太名人。
あらゆる場面を想定した後に、冷静にしてたくましい「気」を持って、勝負に臨む、素晴らしい姿勢を学ぶ。
→6月3日名字の言
 列島が沸いた藤井「七冠」誕生の一戦

 「20歳10カ月」という史上最年少での「名人」獲得と「七冠」達成に列島が沸いた。将棋の名人戦。藤井聡太六冠が渡辺明名人を破り、「名人」を初獲得。羽生善治九段以来、史上2人目となる「七冠」に輝いた

▼藤井七冠は、中学1年の頃から将棋研究にAI(人工知能)を活用。AIが導き出した答えと自らの判断を照らし合わせ、最善手を探し続けてきた。対局で負けた場合は改善点を抽出し、その後に生かした

▼トップ棋士の実力は紙一重。その中で勝ち抜くには飽くなき探究心が欠かせまい。藤井七冠が、色紙や書の右肩に押す関防印には、「無極」の二字が刻まれている。果てがないという意だ。「どこまでも成長したい、自分で限界を決めない」との思いが込められている

▼どの分野も、偉大な記録を築く人は、一つの栄光にとどまることはない。停滞は、実は退歩であることを知り、常に向上の歩みを続ける。羽生九段も「才能」とは、努力が報われないような時でも「同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやる」ことである、と述べていた(『決断力』角川新書)

▼自らが目指す頂へ、まず制するべき相手は自分自身。人生勝利の栄冠は自らを信じ、挑み続ける人の頭上に輝く。(剛)