しもやけは別名「凍瘡(とうそう)」とも呼ばれ、寒さや冷えによって血行が悪くな
って起こる炎症のひとつです。
気温が3~5℃で、昼と夜の気温差が大きい時期に発症しやすいといわれています。
例えば、手袋や靴下がむれて手足の湿度が高かったり、スポーツなどで汗をかいて濡れたまま放っておくと、皮膚の表面温度が下がり、しもやけになりやすくなります。
また、細いパンプスや窮屈なブーツを長時間履き続けると、足の指先が圧迫されて、 血行が悪くなり、しもやけの原因となります。
血行が悪くなりやすい手足などの末端部分や、露出度の高い頬や鼻先や耳たぶに起こりやすく、赤い発疹や腫れが生じ、かゆみや痛みを伴うのが特徴です。
【しもやけの症状】
手や足の指、耳が真っ赤に腫れます。
しもやけになると、患部がジンジンとしてむずがゆさや痛み、熱感があります。
○手や足が全体に赤く腫れる
○手足の指、手のひら、足の裏(ふち)に赤い発疹ができる
○暖かいときはかゆくなり、寒いときは痛む
○手足の指が赤黒く変色する
○靴をはいたり、歩くときに痛みを感じる
しもやけの症状は、ひどくなると皮膚が赤黒くなり、さらに皮膚の一部に潰瘍が
できることもあります(しもやけがくずれたといいます)。放っておくと細菌感
染を起こしてさらに悪化することがあります。
【凍傷(とうしょう)との違い】
しもやけの別名である凍瘡(とうそう)と似た言葉に凍傷(とうしょう)があり
ます。どちらも寒さが原因で生じますが、しもやけが日常的な寒さから生じるの
に対し、凍傷は氷点下の冬山登山などのように急激に長時間、厳しい寒冷にさら
されることで引き起こされます。
凍傷では皮膚組織の凍結を伴い、壊死が深い部分にまで達するなどして、外科的処置
が必要となることもあります。
●しもやけの治療
しもやけの治療においては、まず末梢の血行不良を改善することが重要となります。
毛細血管を拡張する働きのあるビタミンEなどの医薬品を内服するほか、軟膏を塗っ
て血行改善につとめます。
しもやけが悪化して水疱ができたり、ただれが生じてしまうと、感染の恐れが出て
きます。そうした場合には、細菌増殖を防ぐ働きのある抗生物質が含まれるステロ
イド外用剤が適していますので、薬局で購入する際には相談すると良いでしょう。
【日常生活での注意】
しもやけを予防するには、外へ出るときに十分防寒することが大切です。
○手や耳などの露出する部位は、できるだけ手袋や耳当てなどの防寒グッズで覆うようにする。
○きつめの靴は血行を悪くするので避ける。
○炊事や洗濯で皮膚を濡れたままにしておかない。
○スポーツなどで汗をかいた後は汗を拭き取り、濡れた衣類はなるべく早く取
り替えるようにする。
【手足の冷えを改善する方法】
お風呂でできる対策として、冷水と温水に交互につける方法があります。
しもやけのできやすい手や足を1、2分ごとに40℃位のお湯と5℃位の冷水にひたす
もので、洗面器があればできる方法です。
温水からはじめて温水で終わるようにしましょう。
【食事で予防する方法】
血行を改善する効果のあるビタミンEを多く含む食べ物をとるよう心がけましょう。
ビタミンEは落花生や大豆、アーモンドなどの豆製品や、たらこ、マヨネーズやサラダ油などの植物油に多く含まれています。
薄手でも暖かい衣類が増え、室内の保温保湿が十分に行われるようになり、昔に比べるとしもやけは少なくなりました。しかし、体は衣類で暖かくなっていても、 熱い夏と同じ靴を履いていることが原因となって、足だけにしもやけができる人も増えています。
服装だけでなく足元にも気を配るようにしましょう。