❗久々、本の感想です。


絲山秋子さん、好きです。
ファンタジーって神様?が出てくる作品がいちばん好き。


さて、
今回読んだのは
「不愉快な本の続編」って作品で。
いや、別に純粋な続編ではないんだけど、
こうやってタイトルで翻弄されるのも好きだ。


救われた気持ちになれるのかって言われたら、
そうじゃない人のが多いかもしれない。


でも、
ろくでもないけどイケメンの主人公が
黒いのに綺麗に思えて、
お腹真っ黒な自分はほんの少し安心する。



自分のこと
ろくでもないって知ってること、
それでも、
そんな自分抱えて生きてくこと、
うなだれもせず。



彼の姿を追うだけで、
ゾクゾクした。



彼は酷いやつだ。
でも、
解ってしまう。



ほかの作品でも思うように、
自分を投影してしまう。



彼は、私だ。



自分には心が欠けてる。
ずっとそう思ってきた。



だけど、
人間ってみんなそんな風じゃないのかな。
そんな何かを抱えて、
生きてるんじゃないのかな。



彼に限らず、
出てくる人それぞれの
ろくでもない部分に、
私はほっとする。



あんた、と彼は一度だけ呼びかけた。
それは多分、
読んでいる
紙の向こうの人間に。

心臓が、
ぎゅっとなる。
見られている気がして。
丸裸にされた気がして。




私は、
何者にもなれるし、
何者にもなれない。



正解なんか知らないけど、
自分の進む道は自分で選ぶし、

きっと、かっこ悪いことだらけだけど、
多分絶望はしないで
ハナミズたらしつつも、
それなりにたくましく生きていくだろう。



そういうことを改めて思った。