2024年04月29日(月)昭和の日 晴のち曇
【軽井沢】最高気温 22.1℃ / 最低気温 8.6℃
13:40 睡鳩荘のテラス、素敵です。
眼前に広がる湖
誰もいないテラスの椅子に座って、私は読書を始めました。
本のタイトルは「らんたん」。
G.W.が始まる前までに読み終えるともりだったけど、今、ようやく終盤にさしかかったところ。
ユキヤナギの香りが漂うテラスで一人、本を読んでいると、この別荘のオーナーになったような気分。
あ~、でも、喉がカラカラに渇いたけど、女中さんはお茶を運んで来てくれないわ…と、喉の渇きという生理現象がオーナー気分から現実に引き戻す。
テラスを後にして、カフェを探す。
14:18 レストラン「湖水」にやってきました。
湖に面したカウンター席でアイスティー(420円)をいただきました。
喉が渇いていたので一気飲み。
美味しい~☆
軽井沢にゆかりがある人物が次々に登場する「らんたん」を軽井沢の地で読んでいると小説の世界と自分がシンクロしたような気分になってくる。
430ページを読んでいると…
戦後、河井道と一色ゆりは、ゆりがアーラム大学に留学中に出会い、マッカーサーの副官として来日したフェラーズの招きでGHQを訪れる。
GHQが差し向けたリムジンを運転しているのが女性軍人であることにゆりは驚くが、「国家に女性の力を認めさせるには、有事の際に戦力となるしか方法はない。」とその女性軍人は語る。
1920年には女性参政権が実現されていたアメリカでさえ、1945年の段階では女性の社会進出の機会は十分ではなかったんですね。
女性参政権獲得のために、市川房枝、久布白落実、村岡花子らが「戦後対策夫人委員会」を設立したと書かれていて、さっき睡鳩荘で見た「アンと花子」の展示と村岡花子の白黒写真が脳裏に蘇った。
この後、道とゆりはフェラーズから瓶入りコーラと熱々のハンバーガーをご馳走になるのだが、私もレストラン湖水の隣にあるハンバーガーショップから漂ってくる牛脂が焼ける匂いを嗅いできたところだった。
小説の中で、河井道は何度も心中自殺した有島武郎の幻影を見て、自分自身の在り方を見つめ直している。
師であった新渡戸稲造ではなくて、ちょっと見下していた有島武郎が幻影として現れるというのは生涯独身を通した道は心の奥深い部分で有島武郎に惹かれていたという設定なのかな。
そんな有島武郎が最後の時を送った浄月庵もすぐ近くに移築されてきている。
先人たちの熱い思いと行動があったから、女性が活躍できる機会がある社会になっている。
そう思うと、私も迷いを捨て、今、やりたいと思っていることを行動に移そう!と思った。
本を閉じ、レストラン湖水を出て、ボート乗り場に向かう。
一人でがむしゃらにボートを漕いで、塩沢湖を一周しようと思ったのだ。(←"行動”ってそれ?)
しかし、一人用のペダルボートだと思っていた「アメンボ」は自転車を漕ぐタイプのボートだった。
「ダメだわ。重心が高いから全力疾走してたら転覆するかも。転覆した時、一人じゃ不安だから夫と一緒に来よう。」と思い、踵を返す私。(←いきなり断念かよ?)
女性解放運動の先駆者たちは本当に立派だったとつくづく思った。