適した培養液の選び方 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

培養液は色々あります。

以前の記事 でも説明しましたが、大きく分けて2種類あります。

①Two-Step型培養液 (Sequential medium)

②One Step型培養液


①の方が多いですが、現在は②を使う施設が増えてきています。


具体的なメーカーとしては下記のものがあります。

COOK社のSydney IVF medium

Global社のGlobal medium

Vitrolife社のGシリーズ

SAGE社のAdvantage cleavage、Blastocyst medium


各社とも企業秘密なので具体的な組成に関しては公表していないので、どのような成分が用いられているかは実際のところはわかりません。

考え方としては卵管内の液の成分を真似して作られています。


この様に多くの種類がある中で、実際にどのように培養液を選択しているかですが、理想としては出来るだけ多くの種類のメーカーの培養液を使用する事で、胚の発育停止などのトラブルを回避する事が出来、より良い培養液を選ぶ事が出来ますが、現実問題(コストの問題、管理の問題)としてそれは不可能になります。


そのため現実的にはどれか1種類か2種類の培養液を使用して、2回目以降はその中でより良い培養液を使う事が現実的な方法になります。

例えば1回目の採卵時に2種類の培養液を使用して、より良い発生が得られた培養液を2回目の採卵の際は使用する方法です。

また初回の採卵時の培養結果が悪い場合は、2回目には違い種類の培養液を使用していくという考え方です。

この様な方法でより適した培養液を選ぶ事が出来ます。