卵巣嚢腫がある場合 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

右に5センチの卵巣チョコレート嚢腫があります。生理痛はかなりひどいです。オペを勧められましたが、オペを受けるべきでしょうか?またはそのままにして妊活をすべきでしょうか?迷っています。アドバイスをお願いします。

この様な質問がありました。


卵巣嚢腫がある程度の大きさになっていれば、オペをする事は妥当だと思います。

4㎝を超える卵巣嚢腫がある場合はオペの適応になり得ます。

 

ただ、今後妊、娠出産をしなければいけない女性にとって、こういった事と同じくらい大切な事があり、それは卵子を残しておく事です。

 

卵巣嚢腫は手術で取って無事に治りました。

しかし同時に卵巣も殆どとられて卵子も無くなってしまいました。

これでは大きな問題となります。

 

卵巣嚢腫の手術をした女性のAMHが低下している事は過去の記事 でも紹介しました。

 

特に両側の嚢腫の場合は閉経年齢が早くなる事も過去に紹介 しました。


そのため、オペを受けるのであれば卵巣を最大限残しつつ、嚢腫のみを取る事が正解となります。


もしAMHが低い場合には、事前に採卵をして卵子を凍結しておく事も保険をかけるという意味でお勧めの方法です。 

この辺りは主治医の先生と良く相談して決めるのが良いかと思います。