帝王切開瘢痕症候群(CSS)の治療
CSSの原因は帝王切開により出来た陥凹部に生理の血液が入り込み子宮内へ広がると考えられています。最近では瘢痕部に子宮内膜が入り込み出血を来すという考えもあります(文献1)。
治療方法としては保存的治療と手術療法があります。
月経異常や疼痛に対しての保存的治療としては、鎮痛剤、低用量ピル、ディナゲストにより症状を抑える事がある程度可能になります。
体外受精を含めた不妊治療に対しての保存的治療としては、リュープリンを数クール使用して出血をコントロールして移植する方法があります。
また子宮鏡を用いて陥凹部及び子宮内腔の洗浄や、超音波下に吸引チューブを用いて出血を吸引する方法もあり、移植数日前にこれらを行い、それにより成果が出る事もありますが、持続的に出血しているという明らかな原因があるのであれば、その場しのぎでしかないため、根治としてはなかなか難しいものがあります。
やはり根治としてはオペで陥凹部を除去する事が一番確実と考えられています。オペは子宮鏡手術と腹腔鏡手術の2種類があります。
子宮鏡を用いて陥凹部の前後を削り凹凸をなくして、血液の貯留を無くす方法もあります。子宮鏡で陥凹部の出血箇所を切除し凝固する方法もあるとの事です(文献2)。腹腔鏡手術よりも侵襲が少ないことがメリットです。
腹腔鏡手術で瘢痕部を切除して再縫合する方法もあります。
子宮鏡のオペと異なり、腹腔鏡手術の場合切除した前後をしっかりと縫合することにより次回の妊娠分娩に耐えられることがメリットとなります。
子宮鏡と腹腔鏡手術を併用する方法もあるとのことです。
文献1
文献2
参考HP