OHSS予防にはフェマーラとカバサールを | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

卵巣過剰刺激症候群(以下OHSS)は決して起こしてはいけない疾患です。

OHSSを防ぐために採卵直後からフェマーラカバサールを内服することが効果的です。

特にAMHが高い方の場合OHSSのリスクが高くなります。

 

具体的には採卵日の夜からフェマーラを夕食後に1錠/日として5〜7日間連続内服。

またカバサールを就寝前に1〜2錠/日として5日間連続内服。

これによりOHSSはかなりの確率で防ぐことができます。

 

いくら卵がたくさん取れてもOHSSになってしまっては問題です。安全に良好胚を多く作る治療が大切と言えます。

 

なお、OHSSの重症化が懸念される場合には、採卵前からフェマーラを内服してE2を抑制しながら採卵することも効果的です。この場合フェマーラはトリガー前日まで用いて、採卵後からまたフェマーラを再開します。

これに関しては受精着床学会でも岡山二人クリニックからとても参考になる演題がありました。(2017受精着床学会 O-7)