体重増加だけで栄養量を決めるべからず | 街の管理栄養士ひはらみほ

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健康の基本は「温体」「温血」
管理栄養士が食生活から整える健康生活をご紹介します。

今日ケアマネから「後見人さんが体重増加を心配していて 食事量を減らして欲しいとの要望があった」と相談を受けた。


 体重の増減データだけみれば確かに入所時より 増加傾向なので医務スタッフが「食事量減らしますね」と返事を していたので



「ちょっと待ったー!!」byひはら



 7月の健康診断時の血液検査データを見ると アルブミン3.0

低アルブミン血症で貧血。



独居で1人寂しくご飯を食べていた時よりも
 みんなでワイワイ食べるようになり
入所後、体重が1年をかけて徐々に増加しているだけ。


 身長に対して、適正な体重になってきている。


 食欲があるので、もっとお肉や魚などを召し上がって頂いても いいくらいですよと進言。



アルツハイマー型認知症という診断だけなので
特に食事制限は必要ないはず。 ご本人は食べる事が楽しくって、毎回全量摂取。


何を制限する必要があるんだろうか。



 「体重が増加傾向」 「食事を全量摂取」 これだけの情報で「食べ過ぎで体重が増えてきている」と 判断するのは非常に危険。


1年間の体重データ・身長との比較

血液検査データ

 ご本人の生活の様子や食事への想い

 ADL

これらを加味した上で食事変更を行うべし。
 とケアマネに説明し、食事制限はナシにした。


 体重だけで検討し、せっかく召し上がれている食事量を減らしたら

 筋力が落ち、貧血が進むばかりか免疫力が落ちてしまう。


 食事摂取力も低下してしまう可能性もある。


 包括的アセスメントをせずに 体重の増減だけで栄養量を決められてしまっている場は 少なくないんだろうなと危機感を覚えた。