『モールス』 ホラー映画としても恋愛映画としても青春映画としても秀逸であることの、すごさ♪ | ketchup 36oz. on the table ~フードアナリストの小さな日記

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映画中心のブログだったのですけれど、突然トラックバック機能がなくなってしまって…。どうしたものかと思っていたのですが、とりあえずコチラはコチラで再開します。料理のこと、お酒のこと、レストランのこと…“FOOD”な話題を語っていきます。

『モールス』



ketchup 36oz. on the table ~新作映画レビュー-モールス1


本作『モーリス』は、スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッド版・リメークである。

どちらを先に観たかによって評価が分かれるであろうことは、リメークの宿命として避けられないであろう。


で、ぼくはと言えば、オリジナルの方の『ぼくのエリ 200歳の少女』は観ていない。

理由はただ、邦題がいけてないということだったのだけれども、それはそれで僕にとって幸せなことであった。


それではなぜこの『モーリス』を観たのか。

それは、前作『キックアス』でのクロエ・グレース・モレッツの演技に、強烈に魅かれたからだ。


思えば『キック・アス』も、観るのにとても苦労した。

上映館が極端に少なかったのだから。

ブラッド・ピットがプロデュースし、ニコラス・ケイジが主演したにも関わらず…

しかも本国アメリカでも大ヒットし、日本での評判も高かったにも関わらず…

これはR18指定であったことによるものなのか、それともシネコン主体の興行の弊害なのか。


この『モーリス』もR指定となった。R15ではあるけれど。

で、東京の上映館はなんとたったの4館!

新宿、六本木、お台場に、西新井のみ…

埼玉県なんて0(ゼロ)ですよ、考えられないっ!


なぜここまで文句を言うのかといえば、

ただこの映画が素晴らしかったからですよ。

もっとたくさんの方々に観てほしい。


雪降るニューメキシコの山間部。

閉ざされた田舎町-。

でもそこにに人々が住み、学校があり、

思春期を迎える子供らが集う。

笑いがあり、出会いがあり、いじめもある。

それはそれで、あたりまえのように。


時代設定は、1983年。

ぴんとこないかもしれないけれど、今とは違って携帯電話のない時代。

それがうまく効いている。

題名の、モールスだって。


人々が住み、営みがあり、

そしてそこに変化が…

とても大きな変化があって、

事件が重なり-。


何といっても、アビー役のクロエ・グレース・モリッツが、素晴らしい。

オーウェン役のコディ・スミット=マクフィーも、もちろん負けていない。

警官役のイライアス・コティーズも渋くていい演技だなぁ。


さらに、リチャード・ジェンキンスの演技には…涙すら流してしまうほど。

「オーウェンとは、二度と会うな。」

これは嫉妬ではないんだ。

自分自身の運命と、

そしてオーウェンの、これからを…わかってしまっているのだから。


ラストシーンが、美しい。

そう思えるのは、

マット・リーヴス監督ならではの、こだわりの演出がなせるわざだろう。


哀しさと、儚さと、

愛おしさと、力強さ…。

無謀さと、誠実さ、

残酷さと、純粋さ…。


思春期という、限られた人生の一時期に内包し、

類まれに、それらを抱え続けているひとがこの映画に出会えたならば、

その素晴らしい幸運をぜひ享受いただきたい。



映画『モールス』公式サイト




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