お母さん | コロスケのパグとネコと認知症 バタバタ日記

コロスケのパグとネコと認知症 バタバタ日記

老眼鏡な欠かせない40代
パグとネコに癒しを貰いながら認知症のオババ様との闘い日記



8月9日

この日も私が病院に泊まり込み

大分にいる兄が明日母に会いに来る事が決まった



一度家に帰り
義母の面倒をみて

軽くシャワーを浴びて急いで病院に戻る




夜11時頃

『うー』と痛そうにいきむ母


『痛い?』

と聞くと

頷いた様な気がしする。


もう一度
『痛い?』

と聞く。


やはり頷いた



どこが痛いのか分からないけど

なぜか私は胸をさすった。

そうすると唸りは無くなる。

しばらく胸をさすっていたら

いきなり看護師さんが
部屋に飛び込んでくる




母のバイタルを確認したり
慌ただしい感じ



どうしたんですか?
と聞いても

『いや、大丈夫です』
『今、何かされましたか?』
って聞かれた。



胸を痛がっているみたいなので
さすってました。と答える




そうですか・・・





何か気になったので
もう一度どうしたのか私が看護師さんに聞く


それでも

『大丈夫です』だけ






また、病室には私と父だけになる





父は外にタバコを吸いに行く





また母が痛みで唸りだす





胸をさすりながら

『痛み止めもらおうか?』
って聞くと



ほんのすこし顔が動いた様に
頷いた





ちょうど看護師さんが
母の様子を見に来た




痛がっているので痛み止めもらえませんか?





私はいつものロキソニンや
カロナールの点滴をくれるのかと思っていた




これが間違いだった









『ご家族さん揃われてますね』

って看護師さんが言った




私は何のことかわからなかった


たしかに父と私はいる





でも明日、兄が来る。





痛み止めをもらえば
母も楽になるかな


朝まで眠れるかな?


なんて思ってた







父も一安心だと
またタバコを吸いに行った







私の目の前で
痛み止めの点滴が用意された






点滴開始
23時40分






今まで息苦しそうにしていた母が
静かになった













私もホッとして
母のベッドの横に座り
旦那にメールをする


『痛み止めの点滴してもらいました』








携帯を手にしている時に

部屋にバタバタと看護師さんが三名入ってくる








看護師さんが母の名前を
大きな声で呼びかける








なに?




なんで?





『母さん!母さん!起きて!』

『母さんに何したの!』



私は母さんをさすりながら
看護師さんに怒鳴っていた



誰も返事をしない







父がちょうど戻ってきた

異様な雰囲気に気がつき

母の心臓マッサージを始めた父








点滴を開始して
ほんの2、3分の出来事




私が痛み止めを要望しなければ







兄も母に会えたのに










痛み止めを打ったらどうなるのか
教えてくれていれば








セレネース




肝臓疾患の患者には使用しないこと











肝硬変の母に何故使ったのか






安楽死としか考えられない







当直の先生が来た

腕時計を確認する



11時58分永眠









何故肝臓が悪い母にセレネースを使ったの!
と、詰め寄る





『何故って・・・』















一度目の看護師さんがバタバタと入って来た時
一度、心拍停止していた事は
後から聞いた








この事から
私はしばらくの間
自責の念に苦しめられる














3年経って

今思う



これで良かったのか

これ以上、母を苦しめなくて良かったのか


母にとって

痛み、苦しみから解放出来て

良かったのか





痛み止めを使わなくても
兄には会えなかったのか







未だに答えは出せないけど

こうして
命日に母に話しかけてる


母との約束は果たしてないけど

話せる頃
母から
『お父さんを頼むね』って言われていたの




だから
ちょっと
怒っているだろうなぁと
笑いながら話せる自分がいます