いや~、IKEAのCM燃えてますね。母と娘のキャバクラみたい。
私が生まれる前(1975年)に放送され、(Twitterもない時代に)すでに批判を受けている「私作る人 僕食べる人」ってCMの給仕バージョンという旧態依然とした価値観を受け継ぎつつも、明るい色彩、絵本が英語って、なんとなくオシャレでリベラルな雰囲気がなおグロテスク。同じ商品でも海外バージョンは女性が給仕してないのですが。
ぼくはソファに座りながら映画を観るのが好きなのですが、近くに好きな飲み物があると最高です🎬このGLADOM/グラドム トレイテーブルは、料理やドリンクをこぼさずに、家の中の好きな場所へ自由に持ち運べる優れたアイテムなのです✨ #IKEAのサメ #BLAHAJ #小さな部屋にアイデア広がる #この家が好き pic.twitter.com/9UnPmtmH4o
— イケア・ジャパン キャンペーン(公式) (@IKEA_Campaign) December 7, 2021
お父さんがそこそこ大きくなった娘との身体的距離感をバグらせているのもちょっとホラーです。私は性的虐待とまでは感じなかったけど、「このオヤジは絶対メダル噛むな」と思いました。あの、するっと腕を伸ばす感じが、自分と相手との間の境界を感じているようには見えなかったから。
私は「谷町邦子」という名前でものを書き始めた時は取材ライターだったのですが、平日は事務の仕事をして、土日に取材に行くというスタイルでした。書くことに生活を全振りしたくなったので、副業OKという条件で広告代理店の事務&コピーライターのアルバイトを週5日で始め、そこを辞めたあとも業務委託でコロナ禍までは別の会社の広告を書いていました。ぜんぶは書けないけど他にも広報の仕事に関わったこともあります。
他の仕事同様、キレイなことばかりじゃなかったけど、広告を書くにあたって、差別的な表現はもちろん、露骨に性別役割分業に沿ったものを書かないようにって言うのは指導されました。まぁ、目立つように書かなければいいので、「これは女向けだな」「男の人に向けてPRしてるんだな」ってのを仄めかすやり方もあるのですが。
(いつも、これについて考える時、モヤっとするんだけど、洗練されたやり方で差別や偏見を隠すこと自体が、真に、いいのか悪いのか私はわからない。だって、表面的に差別や排除はわからないのだから、見て傷つくことはないのだろうけど、それ自体がないわけではないしな……ふくざつ)
女性の性別役割分業は、ただ家庭の中で役割の違いがあるということに留まらず、女性が職場において補助的な役割を期待されたり、女性が育児や介護でキャリアの中断を余儀なくされたりなど、家庭外でもさまざまな影響があります。
「たまたま女性が給仕をする描き方になってるだけ」
「役割分業に沿って生きたい人を否定するのか」
ってCMを擁護する人もいるのだけど、
その影響下にある社会で(やだなー、硬い文章になってきちゃった)、わざわざそういうCM作るかなー、って思うんですよね。
世界展開してて、女性活躍に取り組む企業として表彰されてるIKEAで!
100歩譲って、地方の小さいお店がやってるんならわかるけど(私はね!)。
なので、大企業のCMとか公の機関のPRが燃えると、「なんで~~」ってなりますね。まぁ、大企業が必ずしも広報に人とお金を投入しているかはわからないけど、でも、いろんな人相手にお仕事してるんでしょ……ねぇ……って感じです。