谷垣禎一法相は3人の死刑執行を受けて21日、法務省で会見し、
「(死刑は)人の命を奪う極めて重大な刑で、その重みを改めて感じた」
と述べた。一方、死刑制度については「現時点で見直す必要はない」と
改めて明言した。
谷垣法相は刑場での立ち会いは行わず「(法相として)立ち会った方
がいるのは事実だが、極めて例外的で、私は考えていない」と説明。
就任から約2カ月で執行に踏み切った経緯や、3人を選定した理由に
ついては「十分検討した。個別事案へのお答えは差し控える」と述べる
にとどめた。
就任以降、死刑執行に前向きな姿勢を示していた谷垣法相。この日
の会見でも死刑制度について「賛成、反対があるのはよく承知している
が、犯罪抑止や被害者感情など、さまざまな事情で存続してきた」と強
調した。今後の執行について「死刑確定された方々の心情にも影響す
るため差し控える」と前置きした上で、判決確定から6カ月以内に死刑
を執行しなければならないとした刑事訴訟法の規定に言及。「法の精神
を無視することはできない」と主張した。
制度存続に対する海外からの批判については「国際的動向より、治安
維持、国民の安心安全の確保を考えるべきだ」と述べた。(産経新聞)